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読書メモ#2 佐藤可士和の超整理術

読書メモ連続で佐藤可士和さんの著書をピックアップするあたり、すでに佐藤可士和イズムにどっぷり浸かっている。ただ理由もあり、所属している会社コーポレートロゴ・VIと行動指針の刷新および、新オフィスデザインをディレクションいただき、超一流の仕事を肌で感じる場にいます。リニューアルプロジェクト時は在籍していなかったが、常に状態を維持する、かつアップデートする必要があるため熟読。

全体感想

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整理術とは、整理のための整理ではなく、快適にいくるための本質的な方法論と冒頭に仰っているように、今日から使えるテクニックや考え方がまさに整理されて盛り込まれている。この本でも誰もがやって仕事上で行ったことのあるものばかりで、まさに気づきを与えてくれる。やったことある!と思わせる本の構成から佐藤可士和ワールドに入っている気がしてならない。凡事徹底することが一流には欠かせないことだと改めて感じる内容だった。読み終わって気づいたのが、自分は整理が好きだったな、ということ。よく細かいとか言われるのはそこだろう。しっかりと自分自身も整理して、言語化しよう。

メモ:2章 すべては整理から始まる

この本は基本3つのプロセス×3つの整理術に沿って、整理術についてを述べている。

<整理のプロセス>
STEP1.  状況把握/対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を集める
STEP2. 視点導入/情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める
STEP3. 課題設定/問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。

STEP1.  状況把握/対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を集める
問診とは、現在の置かれている状況をきっちり把握し、問題や重要な点を浮かび上がらせるためのもので、いかにリアリティを引き出せるかが重要なポイント。いわゆるマーケティング調査の数字上には表れにくい部分。微妙なニュアンスに至るまで把握していく。人間の感覚を駆使するこの最初の作業は、欠かすことのできない大切なプロセスである。

STEP2. 視点導入/情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める
問診によって状況を把握した後に問題の本質を突き止めるために情報の因果関係っをはっきりさせていく。並べ替えたり、プライオリティーを付けたり、捨てたりすることで曖昧な部分をなくしていく。その際にマクロな視点で引いてみること反対側から捉えてみる等の自分なりの視点を導入することで、問題の根源の本質が表面に現れてくる。この視点導入が、整理のプロセスの一番難関である。大抵の問題の本質は2通りある。ひとつは取り除くべきネガティブな点がある場合、課題をクリアすることで問題解決される。もうひとつは、誇るべき点があるのに埋もれてしまっていた場合、掘り起こした誇るべき点を磨いてアピールすることが課題になる。当たり前のようだが、問題の発見がそのまま解決の答えになる。

STEP3. 課題設定/問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。
課題=登るべき山と考え、コースを見極める。闇雲に進むのではなく、状況を把握しながら、遠くにあるゴールを的確に捉えていく。登ることも一筋縄ではいかない。アプローチの仕方を間違えると目標達成の完成度が低くなってしまう。ゴール(問題解決した状態)のイメージを自身で振り返り、クライアントへも共有しながら確実に進んでいくために必要なものは適切な課題設定である。

<3つの整理術>
1. 空間の整理術
2.情報の整理術
3.思考の整理術

1. 空間の整理術
机周りやPC、オフィスなどみの周りを取り巻く空間をスッキリさせることから始める。プライオリティーをつけることが大切である。

2.情報の整理術
テキストや画像等の実態はないが、形になっているものの整理をする。空間と違い、触れることはできないが、目には見え流。プライオリティーをつけるために視点を導入して、情報同士の因果関係をはっきりさせていく。

3.思考の整理術
人の考えていることを整理する。頭の中にあるものを引き出して組み立てる。重要なポイントは、思考を情報化すること。見える状態にしてしまえば、あとは情報の整理術となる。

メモ:3章 レベル1「空間」の整理術 – プライオリティーをつける

捨てることは、とりあえずとの闘いでもある。「とりあえずとっておこう」という考え方。取り急ぎ、すぐに必要はないけども、将来いるかもしれないから捨てずに保管しておけば安心だ。と自分を納得させてしまう。不確定な未来の話で全く予想つかななく、そんなに必要なものではないことが大半のはず。整理ではなく、単なる移動で終わってしまい、最終判断の先延ばしにしている。

→私もここ2年くらいルールを決めるようにしてきた。例えば誕生日カードや感謝状などの紙で渡されるものは、見返すこともなく、数年後の大掃除の時、もしくは保管していた箱がパンパンになった際に捨てるか否かを大量の想いが重なり、捨てづらいので、携帯の写真で撮って保管するようにしている。現物はゴミ箱行きです。さまざまな説明書類もWEB上にもっと親切な解説をしている情報に溢れているので、即包装と共にゴミ箱行きです。

書類や資料は最終バージョンだけ取っておく

→この変化していったプロセスを記録して、後で振り返りをしようと取っておくことが多かった。ただその資料作成におけるプロセス振り返ったことはほぼ皆無。最終版だけを眺めていたことに気づいた。アップデートしたら、過去のものは捨てよう。最近社内資料はGoogleスライド、スプシにしている理由は、まさにこの点からかもしれない。常に動いているから最新版をいちいち共有したり、もらったりするのが面倒だからである。

受信メールをチェックしたら、その場で処理するということ。僕は、その日の受信ボックスは必ずゼロにしてから帰ります。

→私も基本受信ボックスは常にゼロにするように意識している。前職から受信ボックスを一つのタスク管理ツールのように使っていた。メルマガや営業メールも後で見よう、と思っても絶対に見ないのでサラッと見て興味がなければアーカイブ行きです。アーカイブなら検索引っかかるから。

メモ:5章 レベル3「思考」の整理術 – 思考を情報化する

(ファーストリテーリング柳井CEOの社内のコンベンションでCCI発表時)「このマークは、たぶん簡単にできたと思います。」とも言われたこと。これは最上級の褒め言葉だと感じました。会社のシンボルとなるマークは、いじくりまわした感じがあると絶対ダメだと思っているからです。それはつまり、整理しきれていないと言うことなのです。シンボルマークは崇高なものですが、スパッと明快な方向性を指し示していないといけません。
事例:世界一のTシャツブランドを目指したシステム作り「UT」
・"売り方"ではなく、"買い方"に視点の軸を変えたことにより問題解決の糸口が見つかった
・単にコンテンツを売るだけではなく、Tシャツインフラとしてのブランド「UT」というコンセプトが出来上がった

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"思考"の場合も"情報"の場合と同じく、"あるべき姿"を目指して整理するという前提が、何より大切なことなのです。

ファーストリテーリングの事例はいつも気づきを与えてくれる。新国立美術館で開催されていた佐藤可士和展でも同様に。個人的にはセブン&アイHDの事例も好き。


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