親の仕事を知っているか│回想記4
続きます、自分語り。10年前にやっていたことを振り返っているだけですが。それでも、自分が何を大事にしてきたかわかるよう気がするので、たまにはオススメです。公開する意味があるかどうかは謎ですが。
さて、今回は、インターネット上で古書店をはじめた際のことを書きます。
いまのように、無料でネットショップを開けるというような便利なサービスはありませんでした。それに、わたし自身も工学部出身とはいえ、Webにそんなに詳しいわけではない状態だったんですね。
学生時代はみんながパソコンを使ってレポートを提出しているなか、貧しいわたしだけ手書き+ワープロでがんばっていたという感じで、ネットそのものにあんまり接点がなかったんです。
なので、やっぱり頼るのは本でした。それで見つけたのが、そのものズバリこちら。
ここでスーパー源氏というサービスの存在を知ります。なので、さっそく著者に会いに行くことに。あ、これは会いに行くっていうかサービスの申し込みみたいなものです。
(久しぶりに見てみたら、当時とだいぶ変わってますね……)
ちなみに、古書店については、父が詳しいんじゃないの?と思われるかと思います。もちろん、本については詳しいですが古本屋の経営とかになるとよくわからない感じだったんですね。そして、振り切って文系なのでパソコンは疎い感じで……。
とりあえず、スーパー源氏というポータルサイト(※)に登録することで、販売そのものはできるようになったわけです。(意外とあっさり……)
最初は自社在庫や祖父の研究資料を販売するというようなイメージだったのですが、古書店ですから当然仕入れも必要になります。なので、古物商の免許も取得します。これはある意味、お金で解決する話なので割愛します。特別なことはなにもありません。
わたし自身がネットに疎かったこともあるのですが、冷静に考えれば他にもたくさん方法があったはずなのです。ただ目の前の煩雑で膨大な量の本に圧倒されていて、別のアイデアにたどり着かなかったですね。なんだか焦っていたんです。
あとはネットで古本を買うといえば、全国古書籍商組合連合会の「日本の古本屋」が有名です。
このサイトに出品するには、古書籍商組合へ加入せねばなりません。
わたしは組合に入るというと、なんとなく敷居が高い感じがしていたのですが、父が言うには「甲陽書房は山梨では有名なはずだから大丈夫だろう」と。
え、そうなの?
いや、本当に恥ずかしい話なのですが、こうやって携わるまで、わたしは祖父や父が何をやっていたのか、何にも知らなかったんですね。
それに、祖父は長野、父は東京で活動していましたから、山梨で有名っていう感覚は、正直、無かったんです。生まれたときから「甲陽書房」っていう名前をずっと聞いていたから、「甲陽」がどういう意味なのか……とか気にしたことなかったんですね。
いや、ほんと酷い話です。別に親子、仲が悪かったわけじゃないんですが。祖父や父が「本に携わる仕事をしている」という漠然とした感覚しかなかったのが、なんだか申し訳ない感じがしたんですね。しかも、関わらなければ、知らないまま消滅していたのかもしれないと思ったら、なおさら。
そんなことを思いつつ、山梨の古書籍商業組合に加盟しにいくことにしたのです。次回はその話を。
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