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サーキュラーエコノミーを実例と知る。

僕は現在オランダに住んでいる。

そしてオランダで今(ちょっと前から)バズワードになっているのがサーキュラーエコノミーというものであり、日本語に訳すと循環型経済である。

この記事ではサーキュラーエコノミーとは何か、なぜオランダで進んでいると言われているのかについて見ていこうと思う。

サーキュラーエコノミーとは

先述した通りサーキュラーエコノミーとは循環型経済という日本語である。エコノミーと言うように一種の経済としての形のありかた・考え方を示すものである。

サーキュラーエコノミーを知るために従来の経済の形との比較で説明していく。

従来の経済の形はリニア型経済と呼ばれている。リニアというのはLinear(線形)ということからきており、下図を見ていただければその由来も理解できると思う。

無題のプレゼンテーション

資源が最初に存在し、その後人々がそれらを利用・消費してから廃棄にいたる。そしてその流れが一方通行型であり図にすると直線になることからリニア型経済と呼ばれる。

それに対してサーキュラーエコノミー(循環型経済)というものは以下の図のようになっている。

無題のプレゼンテーション (3)

資源から始まり消費して廃棄するも、その廃棄したものは次の消費の資源に変わるという考え方である。

『何かに似ている?』

と感じた方がいるかもしれない。

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そうこれは実は自然界の生態系と同じようなサイクルなのだ。つまり実はリニア型経済のようなサイクル型は人間が生み出したものであり、最近始まった経済の形なのである。

なぜサーキュラーエコノミーが注目されているか?

リニア型経済の形を見てわかる通り一方通行である。つまり持続可能性が非常に低いのだ。2019年には電子廃棄物の量が5000万トンにも上るなど、人口増加や電子廃棄物の増加にともない、一方通行のリニア型経済の形では限界が来るのは目に見えているのだ。

つまりそもそもリニア型経済はもう限界なのだ

よってサーキュラーエコノミーは環境保全の目的のために注目されてきているのだ。

サーキュラーエコノミー推進によって2030年までに4.5兆ドルの経済効果が生まれるとも予測されている。

オランダとサーキュラーエコノミー

オランダはヨーロッパに属している。そしてそのヨーロッパは2015年にサーキュラー・エコノミー・パッケージというサーキュラーエコノミーを促進する戦略を立てた。またオランダ独自でも2015年に行政主導でサーキュラーエコノミーを推進し2050年までにサーキュラーエコノミーを確立すると宣言をしたのだ。(Nederlands Circulair 2050)

オランダのサーキュラーエコノミー実例

循環する経済の形といってもピンとこなかっただろうか?なら、オランダの実例をみていこう。

Philips(フィリップス)のRefurbished systems

Philipsとはオランダ発の有名な電気屋さんだ。Refurbishとは刷新という意味で、日本語にすると刷新システムというものだ。

このRefurbished SystemsというのはPhilipsの医療機械販売事業で行っており、医療機械のサブスクリプションのようなものと捉えていいと思う。従来では最新医療機械がでたらそれをいちいち購入してもらい、古いものは廃棄していたが、このRefurbished Systemでは常に最新の医療機械を病院に定額で届けるとともに使われなくなった医療機械はPhilipsに返却し、Philipsが違う形でそれを再利用するというものである。

このように循環できる経済システムを構築する試みをしている。

壊れたところだけ直せるFairPhone

 FairPhoneはThe phone that cares for people and planet(地球と人に優しい携帯)をモットーにしているオランダの携帯会社である。

これまではカメラが壊れたーーとなったらスマートフォンごと変えるのが当たり前であったがFairPhoneでは部品ごとに交換し使い続けることが容易になっている。また中身も透けて見える仕様になっており、情報のオープン性なども意識している。

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このようにできるだけ廃棄をしない工夫・環境に良い部品だけ使うなどをFair Phoneは心がけている。

まとめ

オランダは、地球を大事にしていてすごいと思いました。(小学生の語彙力)

インスタのフォトジェニックからストーリージェニック(プロダクトのストーリー重視)に変化するように、このような商品の背景にある地球を大事にするなども重要となってくるのかなと考えた。

と同時に環境意識に関してはやはり製品の質だけの勝負では勝てないなどの面もあるので、国全体によるサポートが大切なのも感じた。国全体の意識が高いからこそこのようなサービスが成り立つのではないかと感じた。

日本でこのように経済を成り立たせるには、まず何が大量に廃棄されているのか認識するところからはじめていくのが良さそうですね。あとアイデアだなぁ。個人的にランチパックの耳だけ販売したやつとかアイデア好きだなぁ。

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