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「記憶喪失」のドラマが増えていた。件。

皆さんはTVドラマを観ますか?私はそれほどたくさん観る方ではないが、毎クール2つか3つくらい観ている。ちなみに今期観ていたのは「アンチヒーロー」と「Destiny」だった。他にも観ていたドラマはあったが、途中で脱落した。

と言うわけで、私は観ていなかったが、「アンメット」は記憶障害に立ち向かう脳外科医を描いたドラマだった。また「くるり~誰が私と恋をした~?」は主人公が記憶を失っている設定だった。
近年この「記憶障害」を扱ったドラマが増えているというのだ。テレビドラマ研究家の古崎康成氏がまとめる「テレビドラマデータベース」によると1960年ごろから2015年ごろにかけては該当ドラマは年に1,2本だったが、2016年から徐々に増加。2022年には4本、2023年には7本まで増え、今年は前年を上回るペースで推移している。

ちなみに記事に掲載されていた代表的な記憶喪失ドラマは以下のようだった。


あの橋の畔で (1962年)
星の金貨   (1995年)
眠れる森   (1998年)
冬のソナタ  (2003年)
掟上今日子の備忘録(2015年)

いかがだろうか?私個人的には、(ここに記載はないが)木村拓哉主演の「ギフト」が好きだ。最もキムタクがカッコよかったドラマだと思う。今は亡き忌野清志郎さんもかっこよかったし。


なぜ記憶障害ドラマは増えているのだろうか?先述の古崎氏は「喪失」がテーマとして据えられているのではないかと分析している。新型コロナで、それまで当たり前だった事柄(人との交わりや関係性など)が失われ、多くの人は喪失感を感じている。その喪失感をすくいあげるために行きついた先が「記憶喪失」なのではないかと話している。

また、冬のソナタなど韓国のドラマでも「記憶喪失」はよく描かれるが、テレビドラマに詳しい日本大学芸術学部の中町綾子氏は「韓国はダイナミックなストーリーを描くために劇的な効果を狙って用いられることが多いが、日本は日常目線で自分が本当に大切なものを見直すストーリーが多く、韓国ドラマの影響を受けているわけではない」と話している。「記憶喪失ドラマが増えている理由の本当のところはわからない」としつつも「現実では人に合わせて生きることも多い中、フィクションでは登場人物が自分としっかり向き合う装置として記憶喪失が用いられているのでは」と推察する。

また一方で現実的な理由も古崎氏は指摘している。「テレビ局の制作予算も厳しい中で、記憶喪失という設定は役者さえしっかり演じてくれれば撮れるので手間もお金もかからないツールとして用いられやすいのでは・・・」という事だ。

何はともあれ、古くからある「記憶喪失」という非日常設定。確かに情報が限られているもどかしさや、スリルを生む設定など普遍的な部分も多い。加えて現代ならではの「自分見つめ」や「喪失感からの立ち上がり」を加えた新しい「記憶喪失」ドラマを、皆さんも楽しんで観てはどうだろうか。

余談ではあるが、記憶喪失という設定で私が最も好きなストーリーは、島田荘司先生の「異邦の騎士」である。ミステリ小説だ。たぶん高校生の時に最初に読み、この「御手洗潔シリーズ」が大好きになった。その後「完全改訂版」も「愛蔵版」も購入した。私が最も好きなミステリ小説の一つでもある。
呼んだことがない方は、是非読んでみてください。

今日はここまで。

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