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完全ワイヤレスイヤホンは確実に「音のAR」へと向かっている。(4/9)

新しいイヤホンが発表された記事を見るとき、つい気にかけるのがANC、アクティブノイズキャンセリング機能の有無。

ソニーやアップルの主力機だけではなく、比較的安価なよくわからないベンダーのものでもANCを搭載しているものが出て来ました。
ちょっと前までは「ANC実装にはかなりのノウハウが必要」と言われてきた気がしますが、ANC機能もコミコミの安価な開発用プラットホームチップセットが出回って来たんでしょうかね。その辺よく知らないんですけども。

そのANC機能が大きくクローズアップされるまでは、どちらかというとパッシブなノイズキャンセル・・・すなわち遮音性の高さを追求する系がイヤホンの話題としては一般的でしたね。
いわゆるコンプライ等のウレタンチップをつける的な・・・まぁ、これは今でもカナル型タイプのイヤホンでは定番のカスタマイズかも知れません。

で、そんなイヤホンの流れ・・・外音のシャットアウトっぷりに各社シノギを削っている一方で、むしろ外音を聞こえるようにするという流れもありました。
骨伝導タイプのイヤホンだったり、ソニーのXperia Ear Duoのように耳を塞がずに音を聴くという商品群ですね。Xperia Ear Duoは私も使ってました。

こういったタイプのイヤホンは、耳を塞いでしまう事で外音が聞こえなくなる事が危険であったり、外音が聞こえなくなることで仕事に影響が出るようなシチュエーション向けに提案されていたのですが、更にそこから発展して「スマホからの音を外音に重ねる『音のAR』という概念」もこの頃に出てきていました。

視覚と違って聴覚は「ながら」で認識することが比較的容易ということもあり、ウェアラブルデバイスの一方向として模索されていた感があります。

さて、カナル型やウレタンチップを使った「遮音性の向上」と、骨伝導などの「外音との重ね合わせ」というある種矛盾した方向性が、ここ最近いよいよ統合されてきたな!と感じておりまして、なので長々とこのnoteを書いている次第です。

というのも、ANC機能の高機能化と普及に合わせて、追加されて来たもう一つの機能が「外音取り込み機能」だからです。
ANCという「外音を分析して打ち消す」機能の為にイヤホンには複数の「マイク」が搭載されていますが、外音取り込み機能はこの「マイク」から得た音を打ち消さずに「増幅」させて聴かせている・・・という、いわば同じH/Wの利活用なわけですね。

しかし、ここで重要なのは、これにより『外音』がスマホの発する様々な音源の一つとして「同列に取り扱えるようになった」ということ。
つまり、コンテキストに合わせて「外音」と「スマホの発する音」をシステムが動的に調整できるということなのです。これにより、比較的中途半端な実装に留まっていた「音のAR」が更に高度化していくことが予想されます。

きっとアップルはこの辺意識して実装してきている筈・・・まずはApple Watchとの連携で、本命はApple Glassなんじゃないですかね。
「空間オーディオ (Spatial audio)」の実装は単にエンタメコンテンツのためだけじゃなくて、現実空間や外音と綺麗にシンクロさせるための戦略的な機能実装なんだと考えています。

・・・などと先日通勤時に妄想していたのでした。


【昨日のnoteはこちら】


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