一言で言い表すことができないトルコ語(1)「Özlemek」
「I miss you」を日本語でどう伝えるか、ということについて某所で話を聞く機会を得た。
トルコ語にも同様の単語がある。
それは「özlemek(オズレメキ)」だ。
「I miss you」は、
Seni özledim.
セニ オズレディム
または
sizi özledim.
シジ オズレディム
となる。
「özledim」は、単純かつざっくりと説明するならば、「わたしはözlemek」という意味である。
この「özlemek」はさまざまな日本語に訳すことができる。
「seni」と「sizi」は便宜上「あなた」と訳すことにするが、パッと思いつくだけでもこれだけある。
・あなたに会いたい。
・あなたに会えなくて淋しい。
・あなたがいなくて淋しい。
・あなたが懐かしい。
・あなたが恋しい。
助詞も加えると、バリエーションはさらに増える。
昨今のコロナ禍で
Kafede olmayı özledim.
カフェデ オルマユ オズレディム
O kafenin çayını özledim.
オ カフェニン チャユヌ オズレディム
という人も多いだろう。
この「özledim」は、「懐かしい」という感覚なのだろうと思う。なので、
「Kafede olmayı özledim」は
・カフェが懐かしい。
・カフェにいることが懐かしい。
「O kafenin çayını özledim」は
・あのカフェのチャイ(紅茶)が懐かしい。
という訳が当てはめられるが、万能ではない。従って、
「Kafede olmayı özledim」には
・カフェに行きたい。
・カフェにいたい。
・カフェでお茶したい。
・カフェでお茶できなくて悲しい(淋しい)。
「O kafenin çayını özledim」には
・あのカフェのチャイ(紅茶)が飲みたい。
・あのカフェのチャイ(紅茶)が飲めなくて悲しい(淋しい)。
などというような日本語訳も出てくることになる。
このように、「özlemek」には、
・懐かしい
・淋しい
・恋しい
・〇〇したい
などといった日本語訳があり、さまざまな要因や状況によって、さまざまな日本語に訳されることになるわけだが、パッチワークのように何をどうつぎはぎしたとしても、トルコ語ネイティブの人たちの心に100%ドンピシャリと来る日本語、トルコ語ネイティブの人たちの気持ちを100%満足させてあげられるような日本語は存在しないにのではないか・・・と考えている。
「I miss you 」にも、それと同じものを感じた。