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日本型謝罪テクノロジー──謝罪で世間の忘却を狙うお詫びの研究

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#日本型謝罪テクノロジー

日本型謝罪テクノロジー(7)大坂なおみ氏を差別した芸人Aマッソらの謝罪を検証してみると

報道によると、去る9月22日東京で開かれた「思い出野郎Aチーム presents ウルトラ“フリー”ソウルピクニック」なるイベントで登壇したお笑いコンビAマッソが、大坂なおみ氏の肌の色(人種)をネタにした差別を行いました。そして2日後の24日に、Aマッソと所属事務所のワタナベエンターテインメントはサイトで謝罪文を公表しました。

加害者やその所属企業が素早く謝罪したことは評価すべきでしょう。しかし

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日本型謝罪テクノロジー(6)『週刊ポスト』の差別煽動を許した、2018年に休刊した『新潮45』の日本型謝罪の検証

この連載では、『週刊ポスト』9月13日号が部数アップのため、嫌韓ネタで差別煽動広告を出した事件をたびたび批判してきました。

『週刊ポスト』には、直後に作家が週刊ポストへの寄稿を拒否するという形で抗議の意思を示したり(三回目の記事)、9月5日に小学館本社前で抗議デモが行われる(神奈川新聞記事)など、差別を批判する動きが様々な形で出てきました。しかし『週刊ポスト』側は、9月2日にとりあえずアタマを下

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日本型謝罪テクノロジー(5)新聞労連「「嫌韓」あおり報道はやめよう」声明は政治家の差別煽動に対抗できるか

9月6日に新聞労連(日本新聞労働組合連合)が「「嫌韓」あおり報道はやめよう」という声明を出しました。

他国への憎悪や差別をあおる報道をやめよう。
国籍や民族などの属性を一括りにして、「病気」や「犯罪者」といったレッテルを貼る差別主義者に手を貸すのはもうやめよう。

という書きだしてはじまるこの声明は、明確に差別煽動を非難しています。この声明は高く評価できる点があります。と同時に、この声明だけでは

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日本型謝罪テクノロジー(4)─謝罪になってない、少女像に関する黒岩祐治神奈川県知事の「誤解を与えた」お詫び発言の悪質さ

日本型謝罪テクノロジー(4)─謝罪になってない、少女像に関する黒岩祐治神奈川県知事の「誤解を与えた」お詫び発言の悪質さ

TBS系のTV番組ゴゴスマや『週刊ポスト』の極めて形式的な「お詫び」を批判した、日本型謝罪テクノロジーの解説記事を、下記マガジンでまとめています。過去記事を読めます。

さて、昨日9月3日に黒岩祐治神奈川県知事が、あいちトリエンナーレで展示中止となった日本軍「慰安婦」被害者をモデルにした少女像について行った自身の発言について、「お詫び」しました(下記記事)。

しかし後述のとおり、この「お詫び」は

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