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論文紹介:関心が色の知覚に及ぼす影響(松本、川端、佐々木:2021)

研究の要約

本研究は、大学生を対象に木材の色に関するアンケート調査を実施し、木材への関心の有無が色の知覚に及ぼす影響を検討したものです。調査の結果、木材への関心の有無に関わらず、大学生は比較的明度の低い茶色を典型的な木材の色として認識していることが示唆されました。今後は、家具職人等の木工熟練者にも同様の調査を実施し、職業等の経験が色の知覚に及ぼす影響について考察する予定です。

このノートはAIによって論文を要約したものを一部修正しながら提供しています。引用については元資料を参照いただき個人の責任と判断によってご利用ください。


研究方法

発表者らは、これまで大学生や社会人、家具職人等の木工熟練者を対象に、100huetestによる色識別力の調査を行ってきました。その結果、色覚には大きな個人差があり、職業等の日常的な経験により変化する可能性のある可塑性に富んだものであることが示唆されました。また、現在、日常の経験や関心が色認識に及ぼす影響を検討するため、木材の色を対象とした調査を実施しています。

実験結果

木材色として選択された割合(選択率)は、最大で66%で、70%を超えるものはありませんでした。選択率の高い色の明度は3~5程度のものが多く、調査2では茶色(ブラウン)と名付けられる色味のものに集中する傾向がありました。一方、明度の高いハクウンボクと近傍色については選択率が40%を下回り、肌色と認識されるケースが多かったです。木材への関心度と木材色の選択個数や明度との間に相関は見られませんでした。

考察と残課題

本調査の結果、木材への関心の有無に関わらず、大学生は実際の木材の色の中でも比較的明度の低い茶色を典型的な木材の色として認識していることが示唆されました。しかし、実際の木材の明度は多岐にわたるため、今後は家具職人等の木工熟練者にも同様の調査を実施し、大学生との比較検討を行う必要があります。また、100huetestの結果と合わせて分析することで、職業等の経験が色の知覚に及ぼす影響についてより深く考察できると考えられます。

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