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創作理論

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キャラをどう配置する? キャラクター関係性構築フレームワーク

 キャラの立った登場人物を何人も立たせて掛け合いの妙味を楽しむ……というのは昨今のスタンダードになりつつあります。
 個性と個性をどのように配置すれば、互いの魅力を引き出せるような人間関係が生み出せるでしょうか?

 私個人が自作した、まだブラッシュアップの途中にあるフレームワークをお伝えします。
 といっても考え方そのものは凡庸ですけどね。
(同じものが既にあるかもしれませんが、少なくとも私は知

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想定読者の何某

 想定読者は大事だと聞きますけど、つまり何したらいいのかよくわかんなくないですか?
 私はそうでした。
 私が調べたり考えたりしたことをまとめます。

 結論から簡単に申しますと、「読者は俺が決める」「決めた読者にはぶっ刺しに行く」という作業になります。

読者は俺が決める
 想定読者=読者に媚びること、と想像してはいませんか?
 実態は真逆です。
 書きたくないものを書いて心が折れてエターナル打

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優しい葛藤の描き方

 人は選択を強いられています。
 だからこそ、主人公に迫られる選択は読者にとって他人事ではありません。その葛藤は読者を容易に感情移入へと導くでしょう。

 ただし。
 感情移入するからこそ、葛藤は負荷が高いです。
 答えの見えない状況は「ストレス展開」と呼ばれ、現代の疲れた読者は「せめて読書の間くらい快刀乱麻を断つ明朗快活な人生の時間をくれよ」と叫びブラウザバックを選択します。
(注)そうでない人

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小説を今すぐ面白くする三要素

 ぇえ!? そんな便利なものがあるんですか?
 あります。
 私の研究によると、インスタントに面白さを出してくれるのは次の三つです。

「渇望」
「葛藤」
「ギャップ」

 順に見ていきましょう。

渇望 主人公に強いモチベーションを持たせること。
 特に渇望──足りないものを取り戻す(手に入れる)ことは、物語の軸としてとても優れています。
 目的・行動・結果が明白になるからですね。ただ過程をなぞ

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小説を書く前に押さえておきたい「小説」の強み

 ときどき確認しているのは「小説」という媒体を選択する意味がちゃんとあるのか? ってことです。
 だってシンプルな話、自分が作っているものが「読みにくいマンガ」「動かない映画」でしかなかったら、あえて小説で読む理由がありません。

 せっかく準備したネタ、最大限の魅力を発揮できるように適した表現媒体を選択するべきです。
 媒体ごとに得意不得意があります。
 そうして選ばれた結果の小説であるならば─

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