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剣城かえで
2024年2月10日 18:11
月夜の青に溺れていた 肌の肌理が乾いていた 私は船を漕いでいた ひとりの青い海の夜に 流された血を溶かしながら 傷を負った肌と肉体から この薔薇を守るために骨まで達した恐怖の傷に 心許ない手当てをして 清い於血が傷からしみるのを鎖すように隠しながら 心を神経そのもののように研ぎ澄ましていた まるで清い血で恐怖を飲み物とする神のように 眠りにきちんと癒やされることが約束されて
2023年8月28日 07:18
花を悼む死んだ私を優しく葬る。柩の中で眠る私を、綺麗になった私が見つめる。旅立つ私が外套を着るように、眠る私が夜着を纏うように、白い着物の襟を整え、綺麗な髪を永遠に巻いて、私は羽織る、紅茶の香りを。語るべき言葉も、零すべき苦悩はもうない唇に、甘い香りの紅を引く。何の未練もない死化粧をする。死ぬべきだったと信じていたの、誰に言われたわけでもないのに。彼女は信じ続けてい