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掌編小説【薔薇喪失】

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美貌の公爵こと麗人薔薇柩による美と幻想への耽溺。 最も美しいものを失い、自らの美貌に処刑された貴公子の、優美な日常と殺伐の物語。 掌編小説。耽美小説。幻想文学。幻想小説。
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#ファンタジー

掌編小説【薔薇喪失】21.青い血と昼間の亡霊

掌編小説【薔薇喪失】21.青い血と昼間の亡霊

 交差点の一帯には、白い闇が蟠っていた
 歪んだ現実の中で、歩く人々から闇が匂い立つ。喪服のような外套から、霧よりも細かい闇がほどけている。濃密な白っぽさが、黄昏とは違う色で、すれ違う人々の顔を隠していた。麗人は細かい闇に包まれた雑踏に紛れていた。何処にも存在しない、交差点だった。
 麗人は目を凝らした。闇の霧に隠れた人々は、透けて見える。粒子は細かいのに血のように濃密な霧の中に居ながら、灰色の影

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