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内定もらった話と思ったこと

好きなことを仕事にした話に憧れを抱いていた。

野球が好きでプロ野球選手になる。
演劇が好きで俳優になる。
本が好きで、出版社に勤める。
映像表現が好きでアニメ制作会社に勤める。
バラエティー番組が好きで番組制作会社に勤める。
研究が好きで博士課程に進学する。

野球選手の知り合いは居ないが、他は全員友人の話だ。

そんな友人らを傍目に、2019年6月、修士1年だった私は、就職活動を始めた。

あなたは将来何がしたいの?

好きなことは沢山ある。
ただそれは趣味が沢山あるというだけの話であって、それに関連する仕事をするときにそれを楽しくできるとは思えない。
ゲームが好きでも、ゲーム作りを楽しめるとは思っていない。

だから、いざ就職活動が迫ってきたときに自分がどんな業界にいきたいのか、私は全くわからなかった。

だから、私は好きな仕事を思い浮かべるのをやめて、

好きな生活を思い浮かべることにした。

勿論宝くじを一発当ててニートになりたいが、そんな下らない欲求は一旦忘れて将来を想像する。

まず家族が欲しい。たぶん無理だが皆で毎週焼肉を食べに行きたい。
そしてそのためにも多めの給料が欲しい。

直球で言うと恥ずかしいが、私は男性的なスペックに欠けるのでその辺を補え、かつ子供たちに金銭的な不自由はさせたくない。
だから給料が良さそうなところを第一条件にした。
私の友人はさほど給料を求めない傾向にあった(研究室を除く)が、私はやっぱり欲しかった。ある程度まではあった方が幸せな気がする。

ただ、それだけでは平均年収ランキングの上からESを出していくことになるので、さらに想像する。

将来は名古屋に住みたい。

名古屋は生まれ育った土地であり食の好みもあっている。ある程度都会な一方で東京より広い家に住め、休日は中日ドラゴンズを応援することができる。育児で困ったときは親戚に頼ることもできそうである。(結構打算的)
何より東京の人の多さは、私には合っていないような気がした。

そんなことを第二条件に考えて、愛知の企業を探してみれば、当然豊田系列をはじめとして機械系の年収の高そうな企業がずらりと並んでいた。

別に車や機械が特別好きなわけではないが、それらの企業は以前よりとても魅力的に見えた。

そうやって眺めていると、私は第一志望になる企業と出会った。特定を防ぐために今後かなり曖昧な表現を多用することになるが許して欲しい。

そこは転勤もなく、残業はそこそこあるかもしれないが給与も高そうで、球場が近かった。

しかし当然ながら、そこの製品・仕事内容に、好きなポイントは特になかった。

そんな感じで、就職活動は始まった。

先輩のアドバイスや同期の力添えのお陰で、夏はその企業のインターンにいくことになった。機械設計の部署で、かなり浅く仕事内容を学んだ。先輩社員の語る仕事の魅力を聞いた。2週間、肌で感じた職場の雰囲気は悪くなかった。

そこから2月頃までは第二志望以降の情報収集に勤しんでいた。

とうとう3月がやってきた。ある程度準備していた情報を元にESを書き上げる。志望度が比較的高く、力を入れて書いたところだけが面接に進めた。

志望理由は、先輩社員が語っていた仕事の魅力を、ほぼそのまま魅力的に感じ志望していると述べた。ただ、この頃にはたしかに仕事内容にその通りの魅力を感じていた。また、勿論名古屋で暮らしたいとかお金が欲しいとかは言わなかった。

5月下旬、第一志望の企業に内定をいただいた。

意外と、あっさりだった。

ともあれそうして、私は自分で納得できる就職先に内定を頂いた。好きな生活を思い描いてのことなので、好きなことを仕事にしたわけではないが胸を張れる。

このnoteを開いたとき、読者の皆様はどんな話だろうかと期待してくださったかもしれないが、特にオチもなく話はこれまでである。就活中に大切なことは特にない。強いていえばESの志望動機と自己PRを研究室の同期に添削してもらうことだろうか。

結局、就職活動もこのnoteも、志望する企業群、そして第一志望を決めるときまでに9割の話は終わっていた。つまりこのnoteで伝えたいことはそれが全てだ。

あとは面接をクリアしただけで、特筆すべき事はなにもない。

今から就職活動を始める人は、是非よく考えて欲しい。
どういう企業群を受けるのか。なぜそういうところに行きたいのか。
志望する先を決めてしまったら、あと受かるか落ちるかは些細な問題だと感じた。

好きなことを仕事にしてもいいし、他の理由で仕事を探してもいい。でもそこを適当にしてしまうと、本当に自分は良い選択をしたのか分からないまま、気づいたら就活は終わっている。

志望先をしっかり考えれば、内定先にも満足できるはずだと思う。

まぁまだ働いていないので、合わなくてやめるかもしれないが、そんなことは働いてみないとわからない。



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