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ぬる湯は夏の海

温泉に行ったらぬる湯があった。

その温泉は、普通の温泉と美肌の湯という少し白濁した温泉の2種類があり、複数ある湯船のすべてのお湯が温泉だった。贅沢。

その中の露天風呂の一つにぬる湯があった。
寝湯(寝転んで入る浅い湯船)のお湯を、夏場35-38℃にしているということだった。
どこの温泉でもよくあるのでしょうか?私は今回初めて入った。お湯は美肌の湯だった。


お湯の中、仰向けに寝転ぶと、真っ暗な夜空が見える。頭の上の位置にチョロチョロとずっとお湯が流れており、お湯の音だけが聞こえる。

お湯の温度は最初はだいぶぬるい?と思ったけど、じーっと入ってても冷たくならず、いつまでもちょうどぬるいという感じで、気持ちいい。

寝転んで入る湯船は腰からお尻の部分が深く、座っても入れるような形状になっていて、寝転ぶと頭を軸にして身体が浮くような感じだった。


夜の真っ暗な中、身体はふわふわ浮いて、お湯はいつまでもちょうどよくぬるくて、水の流れの音だけがして、だんだん頭がぼんやり静かになっていく。多分一瞬意識が飛んで、寝てたと思う。(危ない)

瞑想みたいな不思議な感じだった。


この感じ、何かに似てる、もしかしたら覚えてないけど羊水の中にいるのはこんな感じ?と思っていたら、翌日子どもと一緒に海へ遊びに行って分かった。これは夏の海だ。

砂浜は暑く、でも海の中は冷たすぎずちょうどよくぬるくて、浮き輪で身体がぷかっと浮いて、いつまでも入っていたくなる、そんな夏の海にぬる湯は似ていた。

うちの子ども(3歳)は、今年はじめて浮き輪にバタ足で自力で泳いていた。

海も温泉も気持ちよく、良い夏だ。

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