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「を」 をーん、をーーーん と ないた日

犬が「をーん」とないたのは
まだウチに来たての1歳くらいの時
お散歩をしていたら
消防車が走ってきたときだった

けっこうなボリュームで
ウ〜〜〜とサイレンをしていたのを見て

「をーん、をーーーん」と 遠吠え みたいに ないた


その時 脳裏をかすめたのは
昔いなかで飼っていた白い犬が

ウチに来た夜に
「くーんくーん、をーん、をーーん」
とないたことだった


母犬と離れて心細かったのだろう
数日間、夜ないて
そのうち止まったが

犬は親元を早くに離されて
心細い思いをしているのが
ほとんどだし

だからこそ早く
新しい家族に慣れて
安心して生きていきたいと思うんだろうな

なぜなら、犬は夜なくのが止まるころ
すっかり数年前からいた家族のようになる


犬が死んだ日の前夜
やはり一晩「をーん、をーーーん」とないた

もうボケて、おしりも汚れるたびに洗って
ちょっと血がでていて
あちこち痛かったりしたのだろう

仕方ない、いいからここに入って
と無理やりお布団に入れて
一緒に寝た

その日の朝、
病院に行く途中で死んでしまった

今思い出すと

私たち家族から離れる寂しさや
不安もあってないたのかしらと
センチなことを想像した

でも、私たちから旅立って
わんわんランドで次の家族と出会って

ちょっとだけ
私たちのことを思い出して
ないて


すっかり新しい家族と生活をしていたら
それはそれで許してあげる


そんなことを言葉で言うとあほみたいだから
考えているだけだったが

わざと「犬、元気かな〜?」


と家族に聞こえるようにつぶやいてみた


そしたら 本当は 私が
「をーん、をーーーん」と泣きたいのだな
と気づいた


犬カルタ「を」をーん、をーーーんとないた日


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