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#メレンゲ

【歌詞批評】本当の言葉と他者との関係における葛藤: メレンゲ『タイムマシーンについて』/Mr.Children『口がすべって』

 メレンゲの「タイムマシーンについて」とMr.Childrenの「口がすべって」の両曲は、本心と他者との関係における葛藤について巧みに描く傑作である。

「ボクの「本当の言葉」は
たぶん人を嫌な気持ちにする
でも「嘘の言葉」で
君や誰かを頷かせるのは嫌だ」
(メレンゲ『タイムマシーンについて』)

 この歌詞は、自己表現と対人関係の間の緊張を描いている。この行間には、自身の感情を正直に表現すること

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【歌詞批評】恋愛感情のグラデーション: メレンゲ『きらめく世界』

 メレンゲの「きらめく世界」の歌詞は傑作である。その理由は、恋愛感情のグラデーションを豊かに描き出しているからだ。

「反射する 水面の光 ストロボできらめく世界」

 景色の描写が音楽の世界観を具現化している。太陽の光が反射し、水面がストロボのようにきらめく情景は、具体的でありながらも詩的で、曲の雰囲気を一層高める。

「胸の奥で響き合う
胸の奥同士のグラデーション」

 感情の深度と複雑さを色

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【歌詞批評】夢の不確実性と葛藤: メレンゲ『願い事』

 メレンゲの「願い事」は、夢の不確実性と内面の葛藤を巧みに描く傑作である。

「嘘と嘘でたまにホントになる」

 真実を追い求めつつも、現実と幻想の間で揺れ動く心情が強く感じられる。
 また、これは真実が曖昧であり、その嘘が新たな「ホント」を生み出してしまうという皮肉に満ちた現実を示唆している。

「僕は手に入れたナイフで 何を残すんだろう」

 夢を選択して、手に入れた実力で、どんな成果を達成す

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