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私的第三次推理小説ブームのきっかけ!

十角館の殺人/綾辻行人

 ※書影は講談社文庫HPより


今までに読んだ本への思い出をつらつらと

もともとが雑食系なので、その時々で面白いと思ったものを読んできました。
こてこての理系頭なので、文学的な観点からの高尚な見解を持っていません。

自分を振り返る意味で、思い出の本にまつわる話を書き溜めていこうかと思います。
あらすじにはほとんど触れず、ネタバレがないように心掛けています

最初に取り上げるのは「十角館の殺人」。
この企画を考えたとき、まず最初に浮かんだのがこの作品です。

現在の第三次推理小説ブーム(←自分の中の)のきっかけとなった、記念すべき作品は、作者の綾辻行人さんにとっても記念すべきデビュー作であり、「館」シリーズの第一作です。(←後で知りました。(^^;))

もう五年ほど前になるでしょうか。
この頃の私は精神的に不安定でした。一人になる時間を望みながらも、一人の時間を持て余す、そんな感じ。
本を読むということからも十年以上遠ざかっていたので、文字の世界に入り込むことにも気付きませんでした。

あの時、何で本屋に足が向いたのか、覚えていません

本屋なんて仕事関連の書籍を買う時くらいにしか、立ち寄らなくなっていたのに。
暇つぶしに何か雑誌でも買おうとしたのかもしれないけれど、ふと目に留まったのが「十角館の殺人」の文庫本でした。
綾辻さんの名前を知っていたことと、なんとなく「館」の文字に魅かれたのかもしれません。
十数年振りに買った、この一冊の文庫本がその後の人生を変えたと言ってもいい、そう思っています。
あれがなければ、今こうしてキーボードを叩いていることもなかった筈だから。

読み進めるうちに物語の世界に引き込まれ、犯人を推理していきましたが……
犯人が分かった瞬間の、あの一行の衝撃

あの衝撃は今でも鮮明に覚えています。
あれに並ぶような作品は――ないと書こうとしていたけれど、改めて思い返してみると「カラット探偵事務所の事件簿/乾くるみ」も最後に『やられたぁ』と思わせてくれた作品です。

あの衝撃がきっかけで「館」シリーズを順に読み始め、第三次推理小説ブームへと突入していくことになります。

――通り過ぎた文字たちは①――



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