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ピンチを乗り越えられない人にありがちな思考


会社の人間関係でトラブルが起きる
家族と喧嘩をしてしまう
急な出費でお金がなくなってしまう
病気や事故で今までのような生活ができなくなる
仕事で失敗して同僚の迷惑かけてしまった
会社に損失を出してしまった

僕たちの生活の中では急に思いがけないことでピンチに陥ってしまうことがあったりしますよね。そんなピンチになっても、ピンチを乗り越えて人生がうまくいく人がいれば、ピンチを乗り越えらずにずっと悪い状況のままになっている人もいます。

この人たちにはいろんな違いがありますけど、僕が大きい違いだなって思うのは「ピンチに陥った時にどんなものの考え方をしてるか?」ってことなんですよね。

なので今回はピンチを乗り越えられない人に共通しているものの考え方について解説します。

その代わりに、考え方を変えてみるとピンチを脱出できて自分の人生が好転してくるようになります。

いま人生がピンチになっている人にはもちろん役に立つと思いますし、いまは特にピンチでないとしても、ピンチになった時に備えて読んでおくメリットがあると思います。

それは、僕たち人間はピンチに陥ると冷静な考えが難しくなるからです。 だから、ピンチに陥ってない今のうちにこの話を聞いておくと、いざピンチになった時にピンチを乗り越えやすくなるメリットがあります。ぜひ最後までお付き合いください。

それでは、いきましょう!

①自分が失ったものにばかり目を向けている

たとえば、人間関係トラブルが起きて関係が壊れてしまうと「もうあの人とは二度と協力して仕事することができなくなってしまった」

運悪く仕事がクビになってしまったら「せっかく今までやってきた仕事だったのに、もうあの職場で働けなくなってしまった」

交通事故にあって車椅子の生活になってしまったら「もう自分の足で歩けなくなってしまった」

もちろん喪失を伴うようなピンチになれば、そのことを悔やんだり気持ちが落ち込んでしまうのは無理もないと思います。1~2日ですぐに回復するようなそんな単純な話でもないですよね。

一方で、時間はかかってでもこのピンチから脱出して自分らしく生きられるようになる人は自分が失ったものにばかり目を向けることをやめることができるんです。

僕たち人間がピンチに陥った時に、心が折れずピンチを乗り越えられるような特性をレジリエンスと呼びます。

このレジリエンスっていうのはいろんな要素が組み合わさって出来ている概念なんですけど、レジリエンスの高い人の思考の特徴として現実的な楽観性というものがあります。

一応誤解しないように言っておくと、ここでいう楽観性っていうのはいろんな可能性を考えずにただただポジティブに考えるということとは違います。

たとえば、なにかの試験に合格したい、でも模試を受けてみたら全然合格点に達してなかった。それなのに何も勉強せずに「ま、本番は大丈夫でしょ!」みたいに考えてたところで、絶対このピンチを乗り越えられないですよね。

そうではなくて、現実的な楽観性っていうのは、過去に自分がピンチを乗り越えてきた経験を思い出したり、自分の周りにいるサポートしてくれる人のことを思い出したりして「自分ならどうにかなるだろう」と思えることなんです。

人間がピンチに陥った時に失ったものにばかり目を向けちゃうと、そういう現実的な楽観性が保てなくなっちゃうんですよね。それは過去に起こってしまった「もう変えられないこと」にばかり注目してしまっているからです。

たとえば、人間関係トラブルが起きて、今まで一緒に仕事してきた人との関係が壊れて、もうその人とは二度と協力して仕事することもできなくなってしまった。

この事実は残念ながら元には戻しにくいですよね。信頼関係ってのは一度壊れちゃうと修復するのが難しいからです。

「関係が壊れてしまった」という過去にばかり注目しちゃうと「自分のせいでこうなってしまった…」という自責の念に駆られたり、自分の至らない面にばかり目が向いてしまいます。

そうなると「これからどうしたらいいか?」ということに目が向かない。だから「自分ならこの状況をどうにかできる」という感覚も持てないわけです。そうなると、ずっと暗闇の中にいるような感じでしんどいですよね。

じゃあどうしたらいいかと言うと、失ったものばかりに目を向けるのではなくて今自分にまだあるものに目を向けるのが大事なんです。

②エピソード:こぶで有難い

ここで「こぶで有難い」というエピソードを紹介します。

昔、有難屋吉兵衛という男がいた。
この男、すこぶる楽天家であり、かつて不平不満を言ったことがなかった。

その吉兵衛がある日、急いで外出しようとしたところ、鴨居に頭をぶつけ、饅頭のようなこぶをつくった。
しかし、痛いとも言わず、両手でこぶをおさえながら「有難い、有難い」と感謝するばかりだった。

これを見ていた隣人は怪しんで尋ねた。
「吉兵衛さん、あんたはこぶができるほどの怪我をしながら、何が有難いのじゃ?」

吉兵衛は答えた。「有難いですよ。頭が割れても仕方がないのに、こぶぐらいで済んだんですもの。実に有難いと思います」

③「自分にまだ残ってるもの」に目を向ける方がピンチを乗り越えやすい

これもシンプルですけど、とても深い話ですよね。

自分に起きた不幸にいつまでもとらわれていても痛みは和らぐわけではないんですよね。それよりも、そんな中でも不幸中の幸いとして自分にまだ残ってるものは何なのかに目を向ける方がピンチを乗り越えやすいということです。

第2次世界大戦で負傷した兵士のための病院で医師として働いて、パラリンピックの創始者とされるルートヴィヒ・グットマン博士はこのような言葉を残しています。

"失われたものを数えるな。残されたものを最大限に生かせ。"

グットマン博士は、第二次世界大戦で体に障害が残るほどの傷を負ってしまった兵士の治療をしていました。

それまでの治療はリハビリを中心に車椅子での生活をして社会復帰をしてもらおうということが中心だったんですけど、なかなかリハビリの効果が現れなかったらしいんですね。

おそらくですが、車椅子での社会復帰したところで今まで自分の足で歩いていた頃の生活とのギャップにばっかり目が向いちゃって自分の生きる意味を見失ってしまった、だからリハビリがうまくいかなかったんじゃないかなと思います。

そこで、グットマン博士は身体障害の治療にスポーツを積極的に取り入れたんですね。そうすると、身体機能の強化と回復で高い成果を上げていたそうです。

多くの患者は半年ほどで社会復帰を果たし、自分たちの生活へと戻っていく。その生き生きとした表情は、人目を避けて暮らしがちな障がい者とはまるで違っていたと言われています。

グットマン博士は「真の障害」ということに触れていて、次のように述べています。

"受験の失敗や失業、別離など、何らかの喪失体験を経験した子どもから大人まですべての人にとって、自分の能力や可能性を否定してしまうこと、夢や目標をもてなくなってしまうことこそが「真の障害」である"

これについては本当に僕もその通りだと思うんですよね。ピンチに陥ってしまうとどうしても「自分なんてダメだ…」とか「どうせ自分なんてうまくいかない…」っていう思考になりがちです。

でも、この時に自分に残っているものに目を向けてみると、意外と活路が見えてきます。

たとえば、仕事でコミュニケーションがうまくいかなくてAさんとの関係は壊れてしまった、でも自分にはまだ B さんも C さんもいる。

「その人たちとの関係を大事にすればまだまだ仕事のチャンスはある」って思えると「A さんとはうまく行かなかったけど B さんも C さんとは今まで良い関係を作れてきたじゃないか! だからたまたま A さんとは会わなかっただけで100%自分が悪いっていうわけではないんだよな!」って考え方に変化が出てくると思います。

こうなるとピンチの状況を抜けて「自分ならまだまだなんとかやれる!」という気持ちになってくると思うんですよね。

なにかを失ってピンチになった時に、そのことばかりに目を向けるのではなくて自分にまだ残っているものに目を向けてみてください、そのピンチを脱出する活路が見えてくると思いますよ。

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