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わたしのお味噌汁、変わっているのかも?

「食べること」について書かれた本が好きで、本屋さんで見かけるとつい手に取ってしまいます。
今、読んでいるのは「月夜の散歩」(角田光代・著)

カバーイラストにも心を惹かれました。

雑誌「オレンジページ」に連載されていた、おもに食べものにまつわるエッセイの本。
"おいしいものを食べることのよろこび"が伝わってくる文章で、ときに笑いながら、ときに分かるなぁとうなずきながら、楽しく読むことができました。

読んでいてびっくりした一編が、「味噌汁の分身」と題するお味噌汁について書かれたもの。

味噌汁に、なんだって入れていいのだなあとしみじみ思うとともに、味噌汁にかんする自分の保守的さ加減にも気づかされた。味噌汁の具として、豆腐、葱、油揚げ、大根、かぶ、ワカメ、くらいしか、私は思いつかないのである。幼少時からずっと、それらの組み合わせをかえたものを、飲み続けていたのであろう。

思わぬところに潜んでいるのが、味噌汁である。見掛けにはけっしてあらわれないけれど、その人のお家にいって、その人の作った味噌汁を見れば、きっとその人らしさが出ていることだろう。私がいちばん「この人、自由だなあ」と思うのは、味噌汁に、南瓜やさつま芋といった、甘い食材を投入する人である。これもまた、私のなかに巣くう昔ながらの保守が、そう思うようである。

「月夜の散歩」『味噌汁という分身』角田光代


確かにお味噌汁って、地域によってはもちろん、各家庭によって入れる具材が違っているし、お味噌も様々な種類があるから千差万別だという認識はもっていました。
でも、南瓜やさつま芋って当たり前のように入れている具材だったので、この文章を読んではじめて、もしかしてわが家のお味噌汁は変わっているのかも?と思ったのです。

さつま芋や南瓜入りのお味噌汁は、秋から冬にかけてよく作ります。
さつま芋・玉ねぎ・お揚げさんを入れて、"フンドーキン"の合わせ味噌と"西京味噌"の白みそを混ぜてつくると、かなり甘いお味噌汁になるのですが、寒い季節になるととても美味しく感じられるのです。

九州で生まれ育ったので、お味噌はずっと"フンドーキン"(大分県の醸造メーカー)のものを使っています。
京都に越してきてからは、白味噌と合わせるようになりました。

基本的にわが家のお味噌汁は具沢山。
ちなみに今日の具材は、わかめ・お揚げさん・お豆腐・
人参・玉ねぎ・しめじ・えのき、です。
具が多すぎて食べづらいと弟から言われたたことも過去にありましたが、具沢山のほうが色々な出汁がでて美味しいと思うので、ずっとこんな感じで作り続けています。

もしも角田さんがわたしの作ったお味噌汁を食べたら、とてもびっくりされるのだろうなぁと思うと、ひとりで笑えてきたのでした。



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