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平日昼間の女正月

ゆく年くる年
園児の冬休み
それらが訪れただけで
日常という河は
濁流と化してしまう

それは
時に笑い声を
時に激昂をもたらす

提供する食事が
2食から3食になることの
その足取りの重さよ

笑顔と癇癪と涙の
全てを引き受ける
その走行距離の長さよ

寝かし付けのその横で
自分も一緒に
寝落ちしている間に
年は明ける…

深夜のリビングに降り
昨年から続く
ループ再生のように
目に飛び込むもの

それは
カーペットの
隙間を埋め尽くす
玩具とダニの餌達

祝い事の時ほど
広くシンクを埋める食器の山

時間という名の金粉を
この手にまぶすべく
文明の利器を
手に取ってみようか…
そんな計画が頭をよぎる

<連休>という言葉は
まがい物
今日は一体何曜日なのか
喉に張り付いた声は
その答えを知っている

そして
濁流は
そのスピードをゆるめ
せせらぎへと変わってゆく…

年明けのバスに乗り込んだ
園児との距離感は
デフォルトに戻る

これが基本かつ最良の形
これでいい…

そして
三分の笑い声と
七分の苦行の日々が明けて
訪れた<女正月>

濁流の中
リスト化しておいた
たましいが
ときめく項目達を
一人眺め
取り出し
始動させてみる…

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