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背景描くのも構図考えるのも苦手な人のための、なんとなく映えそうな人物イラストテクニック【イラスト講座】

※2023年7月10日改稿しました

【追記】お声がけいただき、
「お絵かき図鑑」さまに掲載していただきました。


こんにちは、瑠璃森しき花です。

突然ですが、背景描くの得意ですか?
私は早々に諦めました。

というか、「描きたいのは背景より人物だ」ということに気づいたのです。
もっとつきつめると、
「『ふとしたワンシーンの情景』を描くのが好き」なんですね。

そんなわけで、

『それっぽく見える「人物メインの情景絵」』
『背景をなるべくしっかり描かないで済むように』

とやってきた私の、ざっくりすぎるコツをまとめてみました。

画像メインで説明していきます。


1、人物のコツ「とりあえず拡大してみる」

可愛く描けたけどなんかイマイチ、という時はとりあえず拡大してみます。
なんとなく迫力が出た気が…?
(人物が大きいと、背景を描くスペースも減ります!)



2、人物のコツ「とりあえず傾けてみる」

可愛く描けたけどなんかイマイチ、拡大したけどイマイチ、という時は
とりあえず傾けてみます。
なんとなくドラマチックになった気が…!?

斜めの構図は不安定なので、見る人がドキッとしやすいという説もあるそうです。



3、人物のコツ「逆光にしてみる」

逆光はドラマチックに見えて映えます!
(背景もほとんど白飛びさせられます!)

影を落とす時は広範囲に濃いめに入れて、人物のキワの部分に強めに明るい光を入れると引き立ちます。

物足りなければ、グレーで背景のシルエットを適当に描いておけば
それっぽく見えます。(オススメは窓枠や格子)
ぼかすとなおそれっぽくなります。



4、背景のコツ「スタンプや素材を散らしてみる」

イラストソフトに入っているスタンプや、素材集の画像を貼ると、手軽に華やかに!
複数種類の素材を混ぜるのがオススメです。

そのまま使わず、色調補正やレイヤー効果で、色やコントラストを調整するとなじみやすいかも。



5、背景のコツ「ゲーム制作に使う背景素材を貼ってみる」

ゲーム制作の背景素材は、探せば有料~無料まで沢山あります。
(素材利用のルールをよく確認!)

背景をそのまま貼るのでなく、拡大してスチルイラストっぽくすれば、パースもあんまり気になりません。

絵柄が違っても、ぼかしてしまえば結構なじみます!

自分の絵柄にくらべて、背景素材の彩度が強すぎる場合は、調整してみましょう。
(ゲーム背景は色味が鮮やか&青みがかっていることが多いです)



6、背景のコツ「ざっくり描いて、限界までぼかしてみる」

すごくざっくりと描いて、それっぽい色を置いて、ぼかしまくってみます。
すると、カメラで背景がぼけたっぽくなって、人物が引き立つ……かも!

(さらに、手前の人物を大きくすることで、パースを一切気にしなくていいというメリットがあります…!)



7、背景のコツ「写真を加工して、ぼかしてみる」

自分で撮った写真を加工して、ぼかしまくるとなんとなくそれっぽくなります。
写真の加工は、日中の絵なら、
色調補正で「彩度を上げてみる」&「コントラストを上げてみる」と、
イラストっぽくなるのでオススメです。

この例の絵では夜っぽくするために、色調補正や乗算レイヤー等で暗くしたあと、発光レイヤー等で明かりを描き足しています。



8-1、ちょっと手間がかかる背景のコツ「トレスや加工可の写真に手を加えて使う」

トレス可の写真なら、写真をなぞって&色をつけて、自作背景を作ってしまいましょう!

⇒普段から風景の写真をいろんな角度で撮っておくと便利ですよ!
 加工自由の写真素材は、ネットに投稿されている物や、
 本やDVDで売っている物など色々あります。
 (素材利用のルールをよく確認!)

こうして作った背景のクオリティに自信が無ければ、ぼかしてしまえばよりそれっぽくなります。



8-2、ちょっと手間がかかる背景のコツ「トレスや加工可の写真に手を加えて使う」

加工可の写真なら、写真っぽさを消して、そのまま絵にしてみましょう!

 →まずは、色調補正で全体的に彩度を上げます

 →絵にしては密度がありすぎる部分を、スポイトで色を取って塗りつぶし、絵っぽくします

 →レンズや構図の都合で歪んだところは、画像変形や描き足し等で補正します。

 →全体的に青を入れるとイラストっぽくなります。
  上から青系の発光レイヤーを入れる・黒い部分に青みを足す、等。
  (絵の雰囲気によっては青を入れなくても全然OKです)

※オススメ参考書:KADOKAWA「写真加工で作る風景イラスト(神技作画シリーズ)」さけハラス・著



9-1、どうしても手描きしないといけない時のための背景のコツ「パースじゃなくて、レイヤーで奥行きを出してみる」

斜めの線を使って奥行きを出そうとすると、パースが必要で難しいです。
⇒パースを使わず、演劇の舞台に書き割りを置いていく
 ような感じで、背景パーツをレイヤーのように重ねれば、
 何とかなります。

層(レイヤー)っぽくすれば、パースを使わなくても奥行きっぽくなります。
・左の絵なら、遠景→庭の木々→窓→人物→火鉢→手前の障子
・右の絵なら、奥の障子→手前の障子→柱と雨戸と人物→草むら

洋室なら、遠景→壁や窓→ソファ→人物→観葉植物などで考えてみてください。



9-2、どうしても手描きしないといけない時のための背景のコツ「奥行きを出さない」

奥行きとか、部屋の角とか開いてる扉とか階段とかは難しいので写さず、壁一面だけを描くイメージです。
背景も人物も、思ってるより拡大して、画面いっぱいに描くのがポイントです。
これくらいでも、どこに居るかは何となく伝わります!

・その他、教室なら黒板側だけ描く、廊下なら窓側だけ描く、
普通の室内ならカーテンやポスター・バッグが掛けてある壁を描く、
街中なら奥行きのある道ではなく、特定のお店の真正面を拡大して描くか、横並びの店舗を遠景で描写する、等

・バストアップなど、足元の接地面を画面に入れない方が、パースを使わない背景はごまかしがききやすいです。どうしても全身を入れないといけない構図の時は、足元に草むらや障害物を置いて隠してしまう手も。

※参考図書:玄光社「吉田誠治作品集&パース徹底テクニック」吉田誠治・著



他に細々したテクニックを何個か……

・床に寝ているor座っている人物を上から見ているような絵にすれば、
 床や地面部分の素材を貼り付けるだけで済みます。

・屋外の絵なら、少しあおり気味に描けば、青空の色+雲のスタンプで済みます。
 +αで木の葉っぱのスタンプを加えると、よりそれっぽくなります。

・背景の線画だけをまとめた素材集も売っています。
 モノクロ絵を描く場合は、そういうものを貼り付けて済ませてみても。
 その線画を生かしてカラー背景を作るのも、頑張れば出来ると思います。



終わりに

背景を見せるための絵じゃないから、雰囲気と場所が伝わりさえすればいい―

不得手なことや気が重い作業をそぎ落として、なるべく楽しい作業だけに時間を割けるように(私の場合、どんな心ときめくシーンにしようか考えたりとか、着物を描く時が一番好きです)、とやってきた結果、今こんな感じになってます。

もともと、漫画やネットに上げられてるような一枚絵よりも、乙女ゲームの画集とかを見て絵を始めて。参考にしている絵がこういう処理をしていることが多かったんですね。(人物大きめ、人と背景は望遠レンズで撮ったような圧縮効果のある遠近感、背景は別で用意してあるものを拡大して貼り付け、背景はぼかす)

絵の仕事やりたいですって言ってるのに、「背景をなるべく省エネする」なんてこんなこと言ってたらきっとダメなんでしょうね(笑)
なので、こっそりとここにまとめておきます。
お粗末様でした。

2023年7月 瑠璃森しき花




以上です。

8-2で触れた、加工可の写真をイラストっぽく加工するメイキングについても、作ってみようかな~と思っています^^
⇒つくりました。


pixivにも掲載しました。
あっというまに1000ブクマ超と、ランキング入りしてビックリです。



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