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【140字小説】団欒

美しく張った空気が頬を包む。

大粒の雪が内緒話をしながら
辺りを青白く灯す。
小さな手で大袈裟な引き戸を閉め
黒い木の廊下を
少し鳴かせて部屋に戻る。
石油の香り。大晦日の番組。
コタツと丸々ふとったみかん。

祖父母はいつしか灰となり
やがて雪もあまり見なくなった。

/ルリニコクみみみ



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