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変革とストーリーの力 対話するリーダーシップ #33

あるグローバル企業のアジア太平洋地域のリーダーシッププログラムを担当することにあたって学んでいることをお伝えしてみたいと思います。学んでいること、そこに関する問いをここで共有することでビジネスパーソンの方々のご参考になったらと思っています。

今回は、Brene Brownさんと、Aiko BetheaさんのPodcastから、変革とストーリーの力について、取り上げてみます。

Breneさんについては、以前のエピソードでも取り上げています。

Aikoさんは様々なセクターで、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公正性)、インクルージョン(包括性)を推進してこられた方で、エグゼクティブコーチでもある方です。Breneさんの考え方に基づいたプログラムについて、ファシリテーターを育成する仕事もされていて、Breneさんとは日常的に一緒に仕事もされています。

様々な職場で、変化が求められていると思います。そんな中で、問題や課題に対して、何かすぐにアクションを取ろうとしていないかとお二人が話していました。それを、アクション・バイアスというそうです。バイアスというのは、直訳すると偏見です。アクションを取らなければいけないという思い込みと言えるかと思います。

現状をしっかりと把握するためには、問題や課題を抱えている当事者の人の話を聴いたり、場合によっては話せる状況になることをしっかり待つということも必要なのではと言われていることに、すごく納得していました。

ではなぜ、アクション・バイアス、アクションを取らなければいけないという思い込みに陥るのでしょうか。お二人は「よくわからない」という状態を受け入れられない、つまり、弱さを抱えた状態(vulnerability )を受け入れられないことの現れでもあると言われています。当事者に任せず、過去の経験に当てはめて、こういう時にはこういうアクションを取るべきと指示を出して、まるで自分が救ったかのような気持ちになる。むしろそのためにやっているようなこともよくあるケースとお二人が話されていて、自分自身にも思い当たりましたし、実際そういった形で指示があっても、現状とはずれているので解決に至らない・・・そんなこともよくあったと思いました。

長年抱えている課題、問題を解決し、変化を起こすには、単に解決に至る道筋を数値指標で測っていくだけではなくて、本質的な変容を可能にするようなストーリーこそが大切ではないかということにも話が及びました。本質的な変容が起きているのか、これ自体も何らかの形で測定していくことが必要だけれども、表面的な数値だけが測定されていることがとても多くて、実際に人の気持ちがついていかない・・・これは本当によくあることだと思います。気持ちに働きかけるようなストーリーを、どれだけ作っていけるのかということが、変化には改めて大切だと思いました。

今回の問い
・最近、すぐに手を打たなければと、アクションを取ったことはなかったでしょうか
・そのアクションは、有効だったでしょうか
・もしそのアクションをまだ続けているとしたら、現状にあっているでしょうか

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