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「100万回 言えばよかった(第8話)」霊は思い残しがないように去っていく・・。

このドラマ、脚本家としては、やはり幽霊の話を作りたかったのかな?と思う、この8話であった。「100万回言えばよかった」というタイトルの通り、亡くなった人に対する思いみたいなものが、このドラマのテーマなのではないかと思えるのだ。

主人公は、佐藤健と井上真央であることは間違い無いのだが、その話だけでは弱いので、今回の菊地凛子の幽霊の話があるのだろう。シム・ウンギョンはその話に必要なためにある存在である。そして、佐藤たちの話と絡めるために、亡くなった夫が松山ケンイチに顔が似ているというオプションみたいなものを作った。結構、この辺りが無理くりで、ドラマ全体のバランスが悪いのは、今まで書いてきた通り。

だから、今回、菊池が自分のせいで亡くなったシム・ウンギョンの夫に謝れなかったという思いを、松山に芝居させて代わりにシムを元気付けるみたいなシーンが出てきたわけだ。これ自体が、このドラマの世界観の中で本当に必要だと思う人は少ないだろう。でも、それによって、霊が消えて成仏できるということはわかった。それでいいということなのだろう。でも、それなら、最後のマフラーを届けるシーンはいらないのでは?とも考えられるのだが、脚本家は、菊池とシムを実際に合わせたくてしかたなかったということだろう。結果的には、書き手にとっても幽霊という存在が面倒臭く感じてる気がする。

あと、先週の松山が佐藤に近づきすぎると死ぬかもしれないという話を解決するために、佐藤の苦手な猫の毛のお守りで対応するような話は可愛いのだが、これもサスペンスの方には関係なく、それだけの話である。最初から「100万回生きた猫」の絵本の話が出てきていて、猫はドラマ的には非常に重要なフラグなのだろうが、その辺もうまく使えていませんよね。

で、先週の最後に予告のように出てきた、荒川良々がやはり犯人のようで、今回も殺人をおこなってしまった?香里奈が死ななかったのは、ドラマ的にもう女の子は殺さない的な感じなのだろう。だから、先週井上と接点があった女子もちゃんと高校に合格し、正規の人生のレールに戻って行った。

そう、今回、事件の構造はかなりわかってきたが、元締めの女、神野美鈴がどうやって荒川達を巻き込んだのか?ということはいまいち不鮮明。そして、荒川は最後に井上にも危害を与えようとするが、それをしなければいけない理由もよくわからない。里親に何かがあったのだろうが、その辺りを視聴者が興味を持って見れるようにできていないのが、やはり今ひとつここにきてドラマ自体が盛り上がらないところ。

あと、二回でしょうかね。最後は、二人の愛が確認できたみたいなところに持っていくのでしょうが、どうなのでしょうか?そういえば、今日、波長が合えば身体を入れ替えることができるとか話が出てましたが、まさかそういうことで井上と松山が最後にくっつくみたいなことはないですよね?

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