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「インビジブル」ふてぶてしく、カッケー柴咲コウについていくだけのドラマ

昨年の「天国と地獄」では、高橋一生は、犯罪者側にいて、刑事の綾瀬はるかと入れ替わったことで、バディだかなんだかわからない状況にいたが、今回は、高橋が刑事で、相手役の柴咲コウは犯罪コーディネーター。目的が何かわからぬままに、警察がこのいかがわしい女と組んで犯罪を解決していく話。高橋と柴咲はドラマ上はバディだが、本質がよくわからない。

そんな前提より、久々に連続ドラマに帰ってきた柴咲コウはなかなか格好良かった。自己紹介で身長175cmと嘘をついていたので、まあ、捜査に関係する話以外は嘘な女なのだろう。最近は、悪女みたいなものが描かれることが少ない気がするが、まさに、現代の新しい悪女という雰囲気。嫌いではない。

冒頭、渋谷駅前の爆破事件から始まる。なかなか雰囲気のあるスタート。こういう絵がCGを使って簡単に合成できる時代。作る側は、その、絵のイメージングが大事。そして、主人公二人と犯人、それに関わるものたちの位置関係を明確にしていくカット割もなかなかスリリングであった。

そして、高橋と柴咲の最初の対峙シーンもなかなか素敵。爆弾とも思われるピンクのランドセルというアクセントも良い。こういう演出に凝りながら動く柴咲は、確かに犯罪者というよりはコーディネーターなのだろう。そして、犯罪を起こさせて世界を掻き回して嗤うことだけでは飽き足らずに、高橋に近づいたということなのだろうか?警察をも巻き込んで犯罪を面白く観察する女という感じにしか見えないところが太々しさを増す。

大体、闇に隠れてる女が目立つ金髪でいること自体が自意識過剰というところ。そして、その糸に引かれているような犯罪者の男たちは、皆、捕まるべくして捕まるような変態。今回の直接犯罪者の花火師も、自分の犯罪を撮影してエクスタシーに達しているわけで、まあ、今の世の中、そんなのがいっぱいなのはわかるが…。ドラマ的には、ネット回線とアナログなラジカセが繋がるというところは、わかりやすいが、もう一つ古臭い。わかりやすくするための仕掛けなのだろうが、あまり驚く感じでもなかった。

脚本はいずみ吉紘、それなりの経験値のある方の作品。ただ、私的にはあまりピンときた作品がない人。初期設定の面白さはそこそこあるが、それは、主役2人が作り上げている感じがする。まあ、最初の3回くらいで、柴咲がどこまで高橋と警察を振り回すかが、ドラマの成功の鍵でしょうね。

しかし、ラスト、高橋が、爆破から殺されそうになった当事者を救うところは、なかなか迫力はあった。こういう派手さを常に持ち込むということなのでしょうか?

まあ、今の日本の状況は、意味のない人がテロリスト行為を平気で行うわけで、ここにある、犯罪コーディネーターにも予測のつかないことが多いのが現状だと思いますけどね。確かに、駅頭で募金してる人など全く信じられないしね。松尾貴史、結構、後を引っ張る役なのかと思ったら簡単に殺されてうめられてしまいましたね。ある意味贅沢。

とりあえず、柴咲コウみたいな女性と関わってみたいので、来週も見ます。


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