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「競争の番人(第4話)」下請けいじめと友情と野球と…。

前回までは、ホテルというサービス業のカルテル問題。そして、今回は一転、家電業界の下請けいじめの話。昨今の日本工業界は、多くのこのような下請け業社が、外国に主戦場を変えてしまって、結果的に失敗したところも多く、ここにあるように、PC生産で30もの業社がいいなりになるみたいなことは、実際にはないだろうと思う。私が、エンジニアをしていた時には、多くの下請けが海外に出ていったところに負けていき、下っ端のエンジニアの私にさえ、どうにか仕事を取ろうと話を持ってくる事業主さえあった。大手のメーカーにしたら、実際、下請け会社はもはや、面倒臭くなく、安いところがいいのである。いわゆる品質第一主義的なものが、いつの間にかどこかに消えて行ってるのが、今の世の中だ。

それと同時に、ここに出てくるような、ハイスペックで安いPCというものも現実化は難しいというのもある。そう、いろんな方面から考えても、この話は古臭い話である。

そして、その大メーカーの男、岡田義徳と、下請けの社長の吉沢悠が、野球チームの頃からの友人だったという話。これも、古臭い。ドラマとしては、大倉孝二の息子の野球チームが勝ち上がってる話がなぜに必要なのか?と気なっていたが、ここに繋がるとは、まあ、黄色い応援Tシャツがやたら目立つ回でしたね。

そして、その岡田は、杏が刑事時代に逮捕し損ねた男。対峙しても、太々しく対応する岡田がなかなかいやらしい。このドラマ、犯人が、公正取引委員会というものを、鼻からバカにし腐ってるところが面白いところである。刑事ドラマでは、こういう強気の犯人はなかなかいないですものね。

そして、杏が、当たり前のように、それに反応して、怒りがおさまらない感じがまた面白い。最後に、あまりスポーツに興味がない坂口に対して、バカにしたような態度をとる杏がいるが、まあ、よくある、筋肉少女に描かれているわけだ。この辺りのキャラのわかりやすさが、このドラマの面白さに繋がっていることは確かである。

そして、吉沢が改心しようとしたところで、岡田が下請けを切る行動に走る。今のグローバルな工業環境では、まあ、どうにでもなるところではあるのかもしれないが、その辺りの裏事情も、もう少し描いていただきたかった気はする。つまり、公取が入って普通の取引状況に戻すと、皆の利益がどう変わるのか?というところもよくわからないというところがある。そこが、大事なところなのだが、大元の岡田は刑事事件にも絡んでるわけで、まあ、それを国が蓋をしようとするような悪い奴なのだ。そんな、庶民の利益などどうでもいいのでしょうけどね。でも、事件が徐々にでかく広がっていく感じはドラマとしては面白いですね。

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