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「夕暮れに、手をつなぐ(第3話)」寄り道恋愛を描く暇があったら、もっとつのる恋心が加速するシーンをじっくり見たい。
明らかに、ウェディングドレスを見る二人の姿はラストシーンにつなげようとする感じのショットである。(そうであったら綺麗だなと私は思う)。そういうわかりやすいドラマが見たいのだ。特に前の時間に続く恋物語。二つのドラマを比較してみている人も多いと思う。前の時間に素直に恋人たちが近づいていくのに対し、ここでは、意識しながらもなかなか寄り添おうとはしない感じ。こっちの方がリアルだという人もいるかもしれないが、ドラマ的にはまだるっこしいと感じてしまう私。
北川悦吏子、「恋愛の神様」などともてはやされた人はこのところ「半分、青い」「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」と二作品続いて今をときめく女優を生殺しにするようなドラマを書いてきた。それに比べたら今回はそれなりにまとまっていると思う。ただ、巷で言われているように主人公の極端なナマリは必要ないだろう。広瀬すずはそのままの素材で使えばいいと思う。
そして、トレンディードラマの時代の癖なのか、カップルになる二人が一つ屋根の下にいるのに、違う恋愛をあてがうやり方ももどかしい。永瀬廉には、お金欲しさの田辺桃子が擦り寄り、田辺の孤独を埋めるために永瀬はまた会うことを約束したりする。広瀬も夏木マリの息子の川上洋平に自らプロポーズを仕掛け、その結婚への流れができるものの、川上はアメリカにいる別れきれていない恋人に諦めさせるために広瀬を道具にしたのだった。共に、都会の恋愛は怖いみたいな話で、単にそれによって、広瀬と永瀬を語らせるための題材であったのだろう。こういう部分は最近の北川の脚本のキレの悪さみたいなものを感じる。
そして、突然、説明なしに松雪泰子の登場。彼女が広瀬の母らしいのだがドラマへの登場の仕方が唐突で、これから彼女をどこで広瀬と繋げるのかは見どころではないが、興味深くはある。
永瀬が広瀬に自分の曲がCMで使われたと報告するような二人のシーンは結構うまくかけているし、永瀬も広瀬もとても瑞々しさを視聴者に与える演技をしていると思うのだが、結局は脚本次第でこのドラマはどうにでも転ぶという危うさを感じる。その危うさを転ばないようになんとか繋いでいるのが夏木マリのようだ。広瀬のところに田舎の祖母から電話がかかってきて、それに応えて事を納めるところなど、非常に見えない力強さを感じる演技であった。夏木が二人をどう見守っていくかは、脚本家も自分の化身のように丁寧に書いている気がする。
ということで、ここまで、それなりに面白いのだが、脚本が北川さんという前提でドラマを見てしまう部分があり、自分でもよくない事だとは思っている。でも、そういう見方もあるということも連ドラを見る面白さだとも言えるのだ。ヘビーユーザーの居直りではあるが・・・。
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