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「ナイト・ドクター」医療ドラマに目新しさをみることはできないのか?

昨年の今頃は、テレビドラマの製作がやっと再開された時期である。その頃から、医療ドラマは病院のロケがしにくいこともあり、各局とも避けていた感じがある。それが、ここにきてまた復活してきた。人間を描く上で医療現場というのは作りやすいということはあるが、さまざまな医療が大変な時期に、意味のあるドラマにしていただきたいと思うところはある。

夜間専門の救急医という目の付け所は悪くないと思う。だが、初回を観る限りでは、今までの救急救命ドラマとあまり代わり映えはしないし、スーパードクターが出てこない部分では、面白みにかけると言っていいい。そして、働き方改革みたいなものがセリフで言われているが、その辺の在り方に対してももう少し突っ込んで欲しい気はした。命に対する想いみたいなものが主題なのかもしれないが、もう一つインパクトに欠けるスタートだった。

主演は、波瑠なのだろうが、初回を観る限り目立っていたのは岸優太だ。内科で、のほほんとしていた新米医師が、突然、生死を争う現場に放り出される。その、呆然とした姿はよく描けていたと思う。しかし、いまだジャニーズに目立つ役を与えるのはどうなのか?とは思う。役的にも、妹が助けられて救急にとどまるという流れは、面白みにかける気がした。

年上の田中圭のインパクトもいまいち、リーダーの沢村一樹も、キャラが今ひとつ不透明な感じがする。全てがフラットな感じの脚本は初回ということもあるのだろうが、時間が長い分、ダラダラに感じる部分も多かった。

個人的には、岡崎紗絵の演技に注目なのだが、彼女も今ひとつツンデレ感だけで芝居をさせてもらっていない感じ。恋人も出てくるし、彼女自身が前に出る回もありそうだが、結局、少し賢い感じの美女的な役は、「アライブ」と同じような役柄。面白みがない。

北村匠海も、いつもより印象が弱い。これは、脚本が今ひとつこなれていないからなのだろうか?月9ということもあるのか、医療ドラマにしたら、少しカジュアル感があるのも気になった。2回目以降の方向修正に期待ということなのだろう。

そして、主役の波瑠も、「リモラブ」に続いて医者の役。今ひとつ凛々しさがついてこないのが気になる。若いままということだ。昔、「救命病棟24時」で看護師をやっていた頃と、あまり代わり映えがしない。もう一回り大きくなってほしい女優さんなので、期待はしているのだが…。

ということで、全体的にはイマイチの感想。また、このコロナ禍の救急を描くという部分にも、踏み込んで欲しかった。そして、救急ドラマだからこそ、マスク必須社会をちゃんと描いて欲しいと思うのだ。そういう現代を放り込めば、もっと違うものができてくると思うのは私だけではないだろう。


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