「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第2話)」親ガチャと課金ビジネスと子供とデジタルと…。
ラスト、赤楚衛二が戯れ合う、中村倫也と有村架純を見つめている。明らかなジェラシー目線。そして、中村は赤楚に、「有村が好きだろ?」と聞いたりする。この辺りの恋愛物語がオマケみたいについてるドラマだ。
今回の案件の解決の仕方を見ると、中村の役所は、事件を俯瞰で見て、明確に問題を突き詰める能力がある弁護士。しかし、高卒だから、受験でいい学校を目指す子供たちには、あまり印象はよくない。そして、対する有村は東大を出てるというだけで、子供たちには一目置かれるが、司法試験を4回失敗したことが語られる。主役のキャラクター自体がこのドラマのテーマなのだろう。「世の中の常識って何?」みたいな。そういう意味ではいろんな人の心にリーチできるドラマだと思う。
今回は子供が親の知らぬまにゲームに課金していた問題。親のクレジット情報で子供が買い物できるようにしていることがまずまずい。だが、軽く課金を許して、こういう高額請求が来ることは多々あるのだろう。キャッシュレス時代とはいうが、子供たちまで、それを普及させるとこういう問題が出ることを止められるのか?この辺りはデジタル化の中での大きなテーマの気はする。
そして、そんな子供の悪戯みたいなことにつけ込んで、子供のゲームに勝手に課金する富田望生。親ガチャで自分が報われなかった復讐心みたいなやつで受験生を苦しめるためにそんなことをしたという。この最近使われる「親ガチャ」という言葉、私が生まれてこの方聞いてきた日本語の中でも最低レベルの言葉だと思う。「子供は愛の結晶」みたいな言葉の相反であり、家族というものが崩れている象徴みたいな言葉だ。そして、「ガチャガチャ」という子供ギャンブルマシンもあまり褒められたものではない。子供の射幸心につけ込んだものである。粗野な文化からは、粗野な言葉が生まれ、粗野な人間を作るみたいな流れが私にはとても最近苦痛に感じるところがある。あまり、関係ないかもしれないが、選挙で政治家になりたくもない人を公認して、数として使おうとするのも、似たようなことだ。とにかく、ここで描かれてることは、日本の社会のあちこちで起きていることだと思う。
そんな中、課金の取り戻しをなんとかできるようにした中村&有村コンビ。だが、当事者の親子は、自分達の教訓として課金の取り戻しは請求しないという。いろんな社会の歪みたいなものを見せながらも、最後は、親子の再出発を視聴者に祈らせるように終わらせる脚本はなかなか温かく感じた。
とにかくも、こういう単純な現代の身近な問題をこうしてドラマにまとめるということは、とても面白い。中村&有村コンビにも親近感を感じるし、ここから、どんなテーマを取り上げていくのかは楽しみなところだ。
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