「ファイトソング(第10話)」思った通りの綺麗な収まり。そんなドラマにほっとする昨今
岡田惠和脚本らしい、綺麗すぎる収まりのラスト回だったと言っていいだろう。視聴者が思うように、収まるところに収まるというのは、テレビドラマのあり方として必要な方法ではあるし、そういう基本的なことをしっかりと素直に脚本にできる岡田惠和の姿勢は大事だと思ったりもする。
「ファイトソング」という、主人公2人で紡ぎ出した歌は、結局、見ている側には、リズム以外は明確に提示されなかった。まあ、そうだろうなと思ったが、やはり、ヒット曲を産んだ男として、間宮はもう少し雰囲気を変えていても良かったのではないか?そして、2人で作った歌が多くの人に届いている姿は描いても良かったかもしれないと思う。まあ、それを想像させるだけでいいということかな…。
今、アカデミー賞の候補になっている「コーダあいのうた」でも、聴覚障害者が音楽を楽しむ姿が描かれていた。そして、歌を聞くということが、彼らにとってどういうことかも、ここと同じように無音の画面の中で描かれていた。もしかして、あの映画にヒントがあったのか?演出側が意識しているのかもしれない。
最終回らしく、間宮の部屋に皆が集まるシーンがあった。テレビドラマのこういうシーンは昔から好きだ。ある意味、視聴者に向けての打ち上げ感がある。ここで、稲森いずみと石田ひかりが「仲良くなっちゃった」みたいのがとても印象的。この辺りの女優さんが肩の力抜いて、ドラマに出てるのはなかなか良いですね。
そういえば、ここの場に栗山千明はいない。間宮がプロポーズ大作戦の時にいる必要がないということか?栗山が間宮に少しは恋心があったということはないのか?謎のまま、彼女は独立して、新しい育成に向かう。相変わらず、こういうクールビューティーな感じが似合う女優さんですね。ある意味、貴重な存在です。
あと、これを企画することになる、間宮と菊池の食事風景も、微笑ましく面白かったです。今まで、ちゃんと対峙させなかった2人をこういう形で絡ませるとは!こういうシーン作りのうまさは、岡田脚本の良いところでもありますよね。肉、最後にちゃんと出してるし、美味しそうでしたね。
最後に、清原は空手で簡単に負けてしまうが、ここ、彼女の応援団いないんですね。高田延彦くらい、いてあげればいいのに。とはいえ、清原果耶、民放の連ドラ初主演は、それなりに駆け抜けた感じ?芝居のレベルがちょっと違うだけに、物足りない感じもしましたが、朝ドラからの第一作目がラブコメだったのは、チャレンジでもあり、それもこなせることを確認できたのは良かったと思います。今後も、あまり素材にこだわらずに、良い演技を提示していただきたい女優さんだと思っています。お疲れ様でした。
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