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「アンメット ある脳外科医の日記(第4話)」杉咲花の記憶の中に重大な秘密があるということか・・。

ドラマが中盤に入ってきて、主題が見えてきた。杉咲花の記憶が亡くなったことで喜んだものがいる。そこには、病院の利権、個人の利権が入りこみうまくバランスを取れていたのに、そこに若葉竜也がアメリカから帰ってきた。そして、元フィアンセの脳障害を治そうとするという話。ある意味、若葉が来たことでいろんなことが動き出したということ。

今回は、数学者の前原瑞樹が破裂の恐れのある動脈瘤が脳に見つかり、手術するかどうかという問題を確率問題として考え出す。それは、彼の思考の癖みたいなものだろうが、医療などというものは、所詮確率100%などということはないのだろう。それは、医者技術と患者の生きようという気持ちがクロスした問題だからだ。そう、医療で完璧に治せる病気などないと考えた方が良い。だから、誰も大門未知子にはなれないとわかっている。「ドクターX」の面白さは、その真実を超えたところにドラマを作っているからだ。

そういうことを考えると、腕のいい外科医(これは手術経験の多さで決まると私は思う)は、凡庸で利権だけを求める医師とは別次元の中にいる。ある意味、患者としてどんな外科医と当たるかというのも大きな確率問題なのだろう。そして、その根底には「患者(人間)への愛」があるかどうかだけだろうと思う。

そして、ここでは井浦新が、杉咲花のカルテを見せたがらないのは、それを若葉に見せると、政治が覆されるからだということだろう。そして、周辺にいる岡山天音や、大向こうにいる酒向芳も大きな悪いサークルの中で、杉咲の記憶をも封じようとしている。それが戻った時には、殺し屋の登場もあるかもしれないような空気はなかなかうまく作られている。

というか、ここでの酒向は、また食べるのが汚い芝居。そして、カエルに合う酒が違うとか金持ち的感覚。まあ、利権を持つものはこう描くのが日本の主流なのだろう。それは、脚本家が本当の美食など利権者に与えたくないからかもしれない・・。あと、岡山の婚約者の生田絵梨花も、今回はメイクから怖い様相である。それは、スッピンに近い杉咲との明らかなコントラストを出すためだろう。そう、金持ちの美人だが、心が肌に出てるような感じはうまく出せている。そういう演出はすごく大事だ。

そして、若葉が井浦にカルテを見せてもらいに来て、その病院で井浦が手術を行なっていたところに、突然乱入し、腫瘍が取りきれないという井浦の意見を覆すように全摘してしまうプレイを行う。これは、井浦が怒るのは当たり前だが、その怒りは結果的には自分の力のなさにも怒ってるところもあるのだろう。ある意味、怪物である若葉が、無理なプレイをしてまで攻めてくる感じはこれでうまく表現できていたし、ここからの井浦の憤りが強くなっていく芝居は楽しみだったりもする。

さあ、かなり、サスペンスの要素が強くなってきましたね。杉咲の記憶をどこで戻すかが、ドラマのキーでしょうか?

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