「Qrosの女 スクープという名の狂気」週刊誌のスクープ合戦は国民の洗脳につながる
このドラマも面白かった。週刊誌のゴシップはこうして金にされていくみたいな、痛快というか、汚れた?今を告発するような空気感は好きだ。原作は誉田哲也の小説。初回を見ただけで原作に興味が湧いた。
で、主演は桐谷健太。こういうアウトロー記者にはピッタリな配役。とにかく、彼のいいところは、アウトロー感があることだ。そういう意味では、「野獣死すべし」的な大藪春彦の主人公を演じさせたい感じはする。で、そのライバルかなんかはよくわからないが、同業者の哀川翔。二人がどう対峙していくかはすごく興味がある。令和の悪い男たちを存分に演じてほしい。
で、週刊誌の編集長役は、岡部たかし。最近は、売れたおかげで、朝ドラなどに出てきて、喚き散らす演技が見られなかったが、「待ってました」という感じに、部下たちに自分の意見を捲し立てる演技。「エルピス」以来ですよね。そう、岡部たかしはこうでなくてはいけない。
そして、初回の話は、アイドルグループの不倫を追う話。しかし、その娘はグループの末端。それ以上に意味のある、トップのスキャンダルを握りながら、マネージャーをゆすり、同じ週刊誌内に、不倫スキャンダルと、トップアイドルの初水着のグラビアを乗せるという相乗効果で、週刊誌の発行部数を伸ばしてしまうという話。
まあ、方法はどうあれ、週刊誌のスクープは情報をいかに集めるかと、それによりどういう未来のストーリーを作るかが大事ということだろう。そして、岡部がいう、大衆は人の不幸を喜んで買うのだというのは、昔からよく言われていること。しかし、今の週刊誌って、15万部売れれば大ヒットなのですかね。現状がよくわからぬが、これを20年前の人が見たら、驚くかもね。
そして、タイトルの「Qros」の女というのは、そのコマーシャルに出てる女のことらしい。謎につつまれたままに、本編の話とパラレルに語られるということか?最終的には結構、エグ味のある話が包み込まれていそうな感じ。
しかし、桐谷の相棒の影山拓也が振り回される感じでいるが、これは、視聴者そのもので、そして、彼のような感覚の人が週刊誌のゴシップを喜ぶということなのでしょうな。そう、岡部、桐谷、影山と、それぞれの年代のゴシップに対する対峙の仕方が少しづつ違うのが面白いところでもある。
個人的には、こういう強引なヤラセ的なゴシップは好きではないが、日本という国は、政治をはじめとして、そういうもので成立してきた国だということは言えるわけで、だから、ここからどういう未来を作るかと考えるためにも、なかなか興味深いドラマだと思いました。今期のドラマ、最初からなかなか質が高いものが多い気がします。(このnote書きながらそう思うクールというのはあって、今期はそういうクールだと思えてきました)