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「初恋の悪魔(第9、10話)」何が言いたかったのか?何を書きたかったのか?私の心のルービックキューブは元に戻りませんでした!

先週と今週で、伊藤英明の息子が連続殺人の真犯人だということを説明してきたわけだが、その事件が解決?してもなんかすっきりしないドラマ。だいたい、視聴者にわかるように色々説明されていない。視聴率も惨憺たるものだったらしいが、話の本筋というか、テーマが今ひとつわからないまま終わった感じはする。

まあ、最後に林遣都の夢の中?に帰ってきたもう一人の松岡茉優に対する林の初恋ということで、このタイトルだったのかもしれない。だが、その松岡の二重人格に対しても、最後にいつの間にか消え去ってしまい、そこに哲学的意味もあまりわからない。最後の田中裕子との話、そして満島ひかりとの会話で、いたはずの人格がなくなったのはわかるが、それがドラマの中でどのような意味があったのか?これは、演じた松岡茉優でさえ、かなりいろんなことを考えながら演じたのだろうなというのはわかるが、本質を捕まえられなかったのではないか?

ドラマの最初の方では、仲野太賀が主演のように描かれていたし、その仲野の兄の死にもっと大きな謎があるのかと思いきや、なんかその死に関しても最後は流されて描かれていて、結局、主演4人の関係もなんかいまいちよくわからず、最後になんでまた私設捜査団に戻るのか?納得いく感じではないですよね。そういえば、最後にカニを持ってきた安田顕もただの隣の元弁護士の変なおじさんでしかありませんでしたよね。

坂元裕二は、前作「大豆田とわ子と三人の元夫」でも、前のストーリーを次の回で無視するような流れをよくしていたが、それはそれでドラマとしては成立していた。だが、今回は、何をしたかったのか?という部分からしてわからない。だいたい、連続殺人のきっかけが、ただの子供の悪ふざけから始まり、それを親が隠蔽したというところも、ドラマ的には弱い気がする。

松岡茉優の二重人格話も、その二人の人格が違う男と関わるという面白さ以外は、どうもピンとこないし、柄本佑の佐久間由依に対する思いは必要か?とか、最後までなんかもどかしい部分が多すぎる。まあ、最後に松岡が林にお別れする部分をきれいに描いて、うまく収束しました的にはしていたが、10回のドラマの流れがどうもしっくりしていないままに終わった感じ。この辺り、坂元裕二ファンみたいな人々はどう考えているのかは気になる。まあ、穿った考察したところで、面白くないものは面白くないと感じた私である。

しかし、役者4人はそれぞれに主役を張れる人たちだから、画面の空気感はすごく濃くなっていましたしね。もう少しコンパクトにして、2時間の映画にする内容な気がしますよね。とはいえ、それでも客が口コミで入る話ではない。こういう脚本をもらって、テレビ局側が有無を言わずにGOをかけるのが、テレビドラマのダメさですよね。

最近、日本の脚本家の皆さん、大丈夫かな?と思うことが多いです。よくわからなかったけど、もう一度見て確認したいと思うこともないドラマでした。結局、私の心のルービックキューブは面が揃わないまま放置された感じです。

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