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「イップス(第4話)」 事件のネタとしては悪くないが、推理劇としてのコクがない

今回の犯人役は香椎由宇。綺麗だが、もう一つ使い所が難しい女優さんな気がするが、途中まで展開される、遊井亮子とのバチバチに見える関係はなかなか緊張感があって良かった。でも、そんな犯人の演技を篠原涼子がバラエティにしてしまってる感じは拭えない。とにかく、推理劇の発想はいいが、展開のさせ方、その見せ方、最後の種明かしという展開がうまくないの一言なのだろう。

ある意味、このドラマ、脚本家養成所に持っていって、もっと面白く深い推理劇に直せという課題にしたら面白いと思う。でも、そうしたら一番に篠原のキャラがいらないという感じになるような気がする。とにかく、彼女の存在が、推理劇に緊張感をなくしてるし、それならそれで、もっと警察から疎んじられるような感じにすればいいのに、警察が彼女を追い払わずに、一緒に賭けをやっていたりする。もう、こういうノリが私は嫌い。

というか、これ「古畑任三郎」の1話として書き直す人もいるでしょうね。と言っても、毎回のように最初の事件現場がもう一つ見せ方が下手。そして、ここからは、犯人の恐れを漂わせながらの心理劇になって行かなければないらないのだが、その供述を聞き出す、実質推理しているバカリズムの会話の少なさが古畑とは異なるところで、犯人の弱みの部分を突いていく感じが下手。というか、彼をイップスにしたためにそうなったともいえ、面白くない。という感じ。

そして、彼の代わりにうろちょろする篠原が単に邪魔にしか見えあないのがいけないですよね。それなら、今回なら、香椎にまつわる回想シーンを入れたりして、彼女が何故にオーナーを殺したかをうまくみせていけばいいと思うのだが、そういうこともできていないのですよね。

しかし、最初に靴に生クリーム塗って自殺に見せようとするところで色々と頭悪い感じがする事件ですよね。そう、こういうのは犯人が頭が良ければいいほど面白くなる。そういう点でももう一つおそまつ。

そして、本当の凶器だったココナッツの皮をごみ処理上にまで探しにいくって、その状況になるまでの間の話が抜けているのも気になりました。そして、遊井が三つ星レストランのシェフと付き合ってるみたいな話もこじつけみたいな感じで面白くないな。あと、香椎の作ったモンブランの美味しさみたいなものを表現したシーンがあっても良かったかもしれない。

そう考えていくと、色々足りないところが多すぎる脚本であり、どうも構成そのものがうまくないことがよくわかってくる。あと、主役の篠原の活かし方みたいなのをもう少し考えて行かないと、篠原に対し失礼ですよね。可哀想という感じがするわけで、もう少し、脚本的にギアを上げてあげないといけないし、これじゃイップスは治らないでしょ!

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