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「日本沈没〜希望のひと〜(第6話)」サブタイトルが陳腐に見えてくる、他人を疑う国民の行く末…。

ここ2、3回ずっと書き続けているが、本当に原作に失礼なドラマである。というか、小松左京氏の関係者にOKをもらっているのだろうが、これ、脚本を読んでもらってそうしているわけではないのではないか?大体、原作と同じなのは、日本が沈むところだけ、主人公の田所博士が、途中で警察にしょっ引かれてしまうようなこと考える脚本家に任せられたこの作品。原作を原案と変えてみたって許されざるものだ。そう、このドラマ自体が許されないビジネスに見えてきた。

まず、今回から「日本沈没編」らしいのだが、大体、田所博士の話に説得力がない。前回も書いたが、データから読み解くには限界があるはず。これでことが済むなら、地震予知は確実に出来るはずなのだ。原作はそれがわからないから潜水艇で潜って徹底的な調査をする。目に見えるその危険な兆候を誰も「嘘」だなどいう余地もないのだ。そういうシーンを描く気もない事実。地球を舐めている!

そして、田所氏の日本沈没発言に、政府はまた発表を控える。前回の関東沈没で、国民に発表しないことを非難したような脚本にしたくせに、また同じことを繰り返す。実際のこの国の在り方にリンクしてしまって、誰得なのだろうか?このドラマの中に、政府の忖度はこういうものだというようなアドバイサーがいるようにも感じる。まさか、ドラマの検閲が行われてこうなっている?このドラマのバックステージの方が見てみたい感じだ。まさに「テレビ局沈没」。

そんな状況で、ドラマは移民の話を始める。確かに原作を書いた小松左京氏は、この話は日本が沈没することよりも、島国根性の日本民族が海外に散って行ったときに生活できるのか?ということが大きなテーマだと言っていたのを聞いたことがある(読んだのかもしれない)。そう、ここが大きな話なわけだ。だが、その流れも唐突すぎる感じはする。災害の事実を大きく報道しなければ、世界も国連も動かない。そう、隠している場合ではないと思うのだが。そして、世界中の地質学者に意見を聴くべきときなのだ!

それなのに、日本会議べったりのような雰囲気の石橋蓮司が、「日本沈没はない!」と研究者でもないのにいいだす始末。お前は麻○太郎か?それなら、もっと口を歪ませろ!まあ、そういう気に食わない演技はさすがですが?

そう、研究者側の規模が全然広がらないで、田所博士は詐欺扱い。香川照之がやっている役は細○○子がモデルなのか?メロンを持ってくる役に岸辺一徳でも使ってほしいよね。本当に、國村隼、復活させて、最後は心を変えた國村が日本を救うということでいいのではないだろうか?たまには國村隼をヒーローにしたい気分になってきた!

そして、日本を守ろうとする、小栗旬も松山ケンイチも杏も、どうも切迫感みたいなものがまるで出てこない。ウェンツ瑛士や中村アンなども、「なんで君達が官僚なの?」といいたくなってきた。まあ、片○さつき、なども元官僚なのだから、このくらいの雰囲気でいいのかもしれないが、視聴者はそういうリアルを見たいわけではないのですよね。

そして、今回も地球は揺れない。そう、このドラマのもう一つの主役は地球自身だ。地球の怒りを感じさせなくては意味がない。まあ、それもないから小栗旬と杏が抱き合うこともないのだろう。昨今はそういうシーンを出すとセクハラみたいなことを言われて出す気もないのだろうが、明日にでも地球が崩壊するとなったら、男女はもっと愛し合うはずだと私は思う。そういう人間の本能的なものが全く描かれていないことも、本当に辛い気もする。

ここまで見てきて、こんな日本なら沈没上等と思ってしまっておるのですよ!なんとかしてください、希望を、希望を、希望の人を登場させてくださいな!


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