見出し画像

「天国と地獄(第3話)」混沌になっていく先のゴールの見えなさ。

最後に入れ替わった姿で、殺人を行うオチ。もはや、入れ替わったことを利用するというよりは、二人はどんどん一心同体になっていく。そして、入れ替わろうが犯人という構図ができることで、どうやったら無事、殺人犯は殺人犯に、刑事は刑事に戻れるのかという謎解きが加わっていくという、連ドラとしては、冒険的だが、面白すぎる展開ということか?

そして、出てくるシーンが少ないのに、柄本佑の行為がまた混沌としていて不思議。最後には、ゴミ袋の血をみて驚いているから、全く、違う世界にまだ何かあるということか?ここも連ドラとしての描き方としては秀逸

そんな、残り香を残した第3話ではあるが、もっぱら3/4くらいは、手袋の入れ替え話と奄美大島に費やされる。手袋の入れ替えで左右を間違えたのはイージーミスとして面白いが、結果的には、殺人犯が自ら証拠を消すという流れ。ということは、最初にすり替えた手袋がまだ証拠品としての意味を持っているということ。これは、伏線として回収事項ですな。

そのすり替えを演じる溝端淳平のうっかりキャラ的なものが、ドラマの中でうまくいかされている。北村一輝や林康文もそうだが、警察内は、至って真面目だが、切れ味が良いようには描かれていないのが、このドラマのみそ。だからこそ、綾瀬と高橋の策略が綱渡りでうまく進んでいく。

奄美大島では、謎がいっぱいあるが、欲しい真実がみつからない。多分、今回、島の人が話したパズルのピースがこれから繋がっていくのだろう。宿の主人を酒井敏也に演じさせたのは、いいキャスティングだと思う。ちょっと出てきて印象的な脇役ができる人だ。

高橋が、もはや海外への高跳びしかないと思ったところで、綾瀬が犯罪するパターン。まあ、迷路を彷徨いながら、出口がなくなる感じで、これから進んでいくのでしょうね。本当に脚本、森下佳子は、テレビドラマの脚本の書き方をパターンとして明確に理解している感じ。ここに至る前に、詳細な設計図があるのでしょうね。お見事。

考えれば、このドラマはいつの話だか、時代設定が出てこないからいいが、現在は、コロナ禍で普通の高跳びは不可能。その中で、どう逃げ切るか?というのを描くのも面白いなと思ったりもした。

まあ、この話に限っては、最初に、犯人と刑事が入れ替わっているという大きな規制がかかっているから、十分にどうにもならないことが多く、面白いのではあるのですけどね。

溝端が二人が入れ替わっていると知っていることは、綾瀬(中身高橋)にバレているわけで、それを利用されるかというのも来週からの見どころであり、そして、柄本佑の正体をもう少し見せて欲しいというところですね。視聴者の好奇心を煽るドラマは無敵でありますな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?