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「95(第3話)」 何かが始まった。だが、どこに向かうかはよくわからない蒼い世界

前回、高橋海人がスカウトされ雑誌の写真を撮るところで終わったが、今回はそこから。そこで、前から同じ雑誌に出ている鈴木仁をはじめとした別の高校の連中と少しもみあう。そんな彼らに中川大志もよく知られたメンバーだったようだ。しかし、スタジオの外で、タバコを吸いながら揉める感じ。当時はこんな感じはあっただろうなという気がする。暴走族というものがどんどん解散させられ、95年くらいにはこんな連中になっていったというのはなんとなく記憶を探ると間違っていないとは思う。それは、コギャルブーム的なものともリンクしているようにも思う。そう、渋谷109界隈、センター街界隈が若者の危険な場所というか、一つのグルーヴを作る場所になっていったのだろう。今のトー横とは全く違うので、そこは若い人、間違えないように。似て非なるものだ。時代は、その瞬間に若者の居場所をそれなりの作るということか・・。

というか、ここの彼らのファションって、ベースが制服なのだが、こういうのは学校がゆるしていたのだろうか?私などは、私服だった時代の都立高校出身なので、高校生が制服にこだわる感じが全くわからない。高校が今も全部、私服という社会なら、日本の若者ファッションはもっと進化したというか、思わぬ方向に行ったと思うのだが、どう思いますか?この辺り、日本の民族性なのか知らないが、一緒のものを着て、そこからアレンジするしかできない文化的なものは感じますよね。

で、高橋はここをきっかけに中川のグループに入る。とはいえ、ここでこのグループに名前がないのは、暴走族とは違う感じではある。そう、私はこの時代にもう社会人だったので、これを見ていて、そうだったのか?と思うところが多い。

そして、中川の家に呼ばれる高橋。中川は政治家の息子で、金を使い放題のようで、その世界にいるから、そこからの脱出願望があるのはよくわかる。そして、家に招かれて寿司職人が寿司を握ってくれるという世界が本当にあるのだと、高橋は思うわけで、自分の世界観がここから変えられていく感じをこのシークエンスはよく表している。

そして、そこに一緒に招かれる松本穂香。彼女も少し不思議な少女として描かれ、ここから、高橋とどう関わっていくのか?そして、現代で安田顕に取材する桜井ユキが松本とどういう関係なのかという謎もあるようだ。

今回は、高橋の気持ちが一気に変化していくところをうまく描いていた。彼のバイトしてるカラオケボックスで一緒にいるのは、渡邊圭祐だったのですね。彼もちょっとカメレオン俳優的になってきましたね。私的には良い役者だと思ってるので、頑張っていただきたいです。

で、今回のラストは高橋が、街で鈴木にあい、家が近いということで家に入れる。親の目がない家の中で、姉を犯す鈴木。そして、その状況を聞かないようにヘッドホンで音楽を聴いてる高橋。そんなことも、まあ、平気であった時代なのだろう。まだまだセクハラとかパワハラとかコンプライアンスなんて言わない時代だったし、犯罪にならなければなんでもありの高校生活というのは、本当のことだよ!この辺りは、「不適切にもほどがある」よりもよく描けてるよね。だいたい、高校生に平気で酒もタバコも売ってくれたし、それが法的に禁止されてても、グレーに公認されていた時代ですよ!そんな時代を今の若者に話しても納得しないだろうし、今の厳しい社会のあり方の中では、ここには戻れないでしょうね。それが、いいのか悪いのかは、明確にはいえないですけどね。でも、そんなグレーな社会の高校生活は楽しかったですよ、本当に!

で、このドラマ、そんな時代をテロップも入れずに描いているが、苦情とかきていないのですかね?その辺は興味深いのですが・・。

とにかくも、ここから時代のドラマが動き出しそうで、ワクワクはする流れになってきました。

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