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「競争の番人(第8話)」ゼネコンの談合という大捕物で、何を炙り出すのか?

昔の映画などにもよくある、土建屋さんの談合の話が、このドラマのファイナルストーリー。昔からこういう話がよく描かれているのはヤクザ映画である。反社会勢力が気質の企業になる場合、土建屋になるという図が多かったからであろう。そして、そういう染みついたDNAみたいなものは、今でも完全になくなったわけではないと思う。ここでも官僚が噛んでいるというのが肝である。集金力のある企業と官僚が結託をすれば、気質の姿をした不法集団が出来上がるという事である。昨今のカルト集団と政治家が結託を組んでいるのと変わらない図式なわけだ。日本は、ここで言われてるように、道を外してしまって、もはやそういう悪事を正当化すらしてしまう国になっているのだ。つまり、反社会勢力は国の本官で蠢いているような感じでもある。だから、今回のキーマン、小日向文世は、「談合がなぜ悪い」と開き直る。なかなか、悪い小日向さん、芝居がキレてますね。

ということで、土建屋さんも公平に仕事ができるように、「公正取引員会」というものがあったりするのだが、このドラマにあるように、官僚から圧力が掛かれば、何もできなくなるというのが本当のところなのであろう。そういう意味で、このドラマ、坂口健太郎が、どういう手を使って小日向をギャフンと言わせるのか?楽しみではある。

で、今回の前半は、坂口がどうして公正取引委員会にいるのか?という話が延々と語られる。父親が仕事をなんとか取ろうとして、談合に加わってしまい、他の小さな土建屋の仕事まで奪ってしまう形になる。それを見て、自分が談合したことを公取に吐露するが、それにより、大企業から営業妨害を受け、父親は自殺してしまったという話だ。そして、その現場に寺島しのぶもいて、何もできなかったという過去。坂口が復讐したいと思う気持ちは明確に理解でき、ドラマ的には、視聴者は主人公にシンクロされていく流れ。

先にも書いたが、このような図式はヤクザ映画と同じである。最後の出入りが、逮捕という形に変わっただけだ。そういう意味では、小日向の懐に入ったように、独自に動いている寺島しのぶは、緋牡丹のお竜とも考えられる。最近、寺島さんの仕草みたいなものに、藤純子を感じることがあるのですよね。彼女で任侠ものを撮りたいという意識でこのドラマ撮ってる演出の方もいるのではないでしょうか?

話は、坂口が、多分、小日向一味に呼び出される。その廃屋のような現場に寺島しのぶもやってきて、坂口を守るというところで終わった。寺島が刺されてしまっては、お竜さんにはなれず、この後は、杏がバディとして活躍するのでしょうか?

最後、今回を入れて3回くらいでしょうか?小勝負が大勝負に出る展開、それなりには楽しめそうです。


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