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「日本沈没〜希望のひと〜(第2話)」利権のしがらみよりも、物理的な恐怖を伝えてほしい

1回目で一蹴された「関東沈没説」を政府が真剣に考え出すきっかけになる、田所の発言「関東沈没が一年以内にはじまる」までの第2話の展開。少し長めに作った割には、次の地震みたいなものは起こらないし、少しサスペンスフルなものが足りない感じがした。そう、この話は、政府がどう危機管理するかということと、庶民の生活が脅かされる二面性をしっかり描かなければいけないと思う。そういう意味では、今回は今の日本の危機管理の本質を描きたい方が勝っているのだろうか?

週刊誌記者の杏に対し、主演の小栗が「この国では建前が勝っていて、本当にやろうとする奴なんかほとんどいない」という言葉を吐く。多分、ここの部分を描きたいところが強くあるということだ。少なくとも、バブル崩壊以降、本気で日本の経済を立て直そうと考えたものはいたとしてても、自分に有利な利益誘導をして、全ては建前と利権者の保護しか考えなかった結果が現在だ。おかげで、日本の庶民の生活は全く未来に希望が見えない姿になっているし、金を持ってやりたいことをやってるような輩は、そんな庶民のことを馬鹿にしている。岸田も甘利も麻生も菅も安倍も二階も河野もみんなその仲間だ。その上で起こったパンデミックに対しても、庶民が納得するような行動は起こっていないのだ。今、この国を考えたら、「いっそ、沈没してほしい」と思う人も少なくないはずだ。そんな色んな人の心の部分を描いていただきたいと思うのは私だけだろうか?

御用学者の域を越えない、國村隼が、沈没する確率は1割。そんなリスクに関わってられるかというようなことをいうが、科学者はその1割のリスクに対して徹底的に検証すべきなのだ。原発の管理など、その1割のリスクはないことで動かしているのが現実!ただ、実際は、その確率はわかっても、実際の地震予測はできないに等しいと聞いたことがある。ただ、それを言ってしまうと、そのための予算が出ないとか?結局は日本の政治的な流れにうまく乗らないと自分の生活が脅かされるという流れ。そう考えると、実際は國村がいうことの方が正しいと言える。

ただ、それではドラマにならないから、天才学者の田所と、正義感を捨てられない天海が、主人公になり、日本のために働かせるというのがこの話だ。そういう意味では、ゴジラ登場なみの寓話なのだが、これが、怪獣に比べれば、「もしや?」と考えさせられる部分があるので面白いのだ。

自分は、このドラマに何が惹かれるのか?と考えてみればそういうことだ。とにかくも、今回のラストの田所シミュレーションでサイが振られた感じ。彼から、政府内の人々がどう動き、庶民がどうパニックに陥るか?ということだろう。とにかくも、もっとサスペンスフルにドラマを仕上げていって欲しい気がする。日曜劇場枠にしたら、ちょっとおとなしいなというのが、ここまでの感想だ。

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