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「イップス(第8話)」 子供がすぐに関西弁を真似るという、安易な展開

まあ、今回も脚本が薄味だったし、犯人がアンミカというのは弱い。昨今のこの手のテレビタレントは昔のそれに比べてもパワーが足りない気がする。テレビの力と共にそういうタレント力も落ちているということ。

しかし、今回アンミカに殺される役者が河合我聞なのだが、ラストのクレジット見るまで全く気づかなかった。まだ、役者をやっているんだなあという印象。今の若い人には「それ誰?」だし、このドラマ、そんなに若い人が見てるとも思えませんよね。

そして、犯人の犯したミスは、道具部屋で河合が事故死したように見せた迄はよかったが、そこからの帰り、オーディションで来ていた子供に出会ってしまったということ。そのことをアンミカ自体も失敗したと思い、その子供を追うのだが、彼女もオーディションから逃げていて神出鬼没。その辺は面白かったですね。

あとは、今回は最初からバカリズムが捜査に参加してくるのは、それなりにドラマに勢いを出すことになる。が、すぐにイップスが出て休憩。というような展開はいまさら必要なのか?大体、篠原涼子の雑な捜査は面白くないのだ。アンミカが篠原の質問に答えないのは、わかる気がする。そう、胡散臭い人が現場にいたら、こういう対応になるということだ。

あと、アリバイを作るために、SNSでライブやってるふりをするというのは新しい展開ではあるが、結構、これも危うい。ネックレスの絡みを直していた女性が思いの外それに時間が掛からなかったらどうするつもりだったのか?このドラマの弱いところは、B案的なものが考えられていないところだ。ある意味、事件のストーリーが加害者の思い通りにいかなかったところがトリック崩しになるのだが、それが2つも3つもあることで、話は面白くなっていくのだと思うが・・。考えれば、「古畑任三郎」はデジタル時代のドラマではなかったから、こういう話は入れ込まれなかったが、そう考えると、古典になってしまったという感じもする。まあ、田村正和氏が亡くなったことで新作は難しいのはわかるが、三谷幸喜氏には、新時代の「古畑〜」を描いてもらいたい気もしますよね・・。

で、今回のオチは、子供がアンミカとの約束を破ってしまったことで全てがバレるのだが、その前に、アンミカの行った通りに子供が関西弁で喋るというストーリーはありえないだろう。確かに子供は王蟲返しのように喋るが、この話はかなり危うい。アンミカがまさかそこをつかれると思ってないというのは面白いのだが、実際にそうなるかは50%くらいの確率だものね。それがなかったら、篠原の負けなわけだし。

もう、回数も少なくなってきたが、このドラマ、一回くらい傑作が出てこないのか?脚本家諸氏よ頑張ってくれ!

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