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「95(第9話)」 新しい命と拳銃と花火と闘争と、渋谷のクリスマスイヴは混沌としていた?

高校生の高橋海人に対して、渋谷の若者をなんとなく制圧している三浦貴大は、自分の後継者にしようと考えたのか?彼の前に拳銃を置く。まあ、こんな、特に料亭で高校生相手にこんなことをした大人がこの頃いたかどうかは知らないが、全くないことでもない気がする。そのくらい、渋谷近辺ではこんな抗争劇みたいなものがあったのかも知れない。安藤昇が闊歩した土壌である。何があっても不思議ではない。

そこに、松本穂香のお腹の中の子供、つまり桜井ユキの父親は中川大志であることは明確になる。そして、彼女が無事、子供を産めたのは中川の母親の斉藤由貴の忖度みたいなものがあったからだということも。まあ、金持ちはいつも、面倒臭いことを金で解決したがる。そして、それが松本も桜井も決して幸せにしていないことも見えてくる。でも、時代は過ぎていくということ。

そんな中、花火を上げるクリスマスがやってくるが、花火を楽しむどころではない、抗争劇が始まる。多分、これは三浦が仕掛けてきたものだろう。前回も出てきた究帝覇兄が、中川たちに喧嘩売ってきたわけだ。まあ、これは関ヶ原の合戦のように渋谷の覇権を争ったことなのかどうかはよくわからないが、こんな反社に使われたような不良が暴れたところで社会はそれを制圧するだけだから、殴られ損でしかない。だから、見ている方としては、学生紛争を見ている以上にワクワクしないところがある。そこに花火が打ち上がるのは面白いけどね。

確かに、若者の文化が動くところでは、様々な派閥もできるだろうし、喧嘩もあっただろう。だが、その向こうにはファッションでも大人の思惑があるわけで、喧嘩がしたい若者を動かすのはやはり大人たちだったのは確かだろう。その向こうで、売春やドラッグのビジネスが展開されているということ。そして、鈴木仁も浅川梨奈もそこに巻き込まれてしまったということ。そして、松本もそんな中の一人だったということ。

世の中では、オウムがサリンを巻いたことが話題になっていた頃、似たような宗教団体や反社崩れの組織は、いくらでもあっただろう。その中で大きくなり過ぎて、破裂したのがオウム真理教であったのは確かだが、世の中自体がバブルが破裂したあとで、投げやり感が強かったのは確かだ。だから、若者たちが先があまり見えない中でバトルしてる風景はわからないでもない。と考えると、そんな社会状況がよくわからない今の若者がこれを見ても、珍紛漢紛なのではないか?とにかく、なんでそんな痛いことをするのかと思う者が多い気もする。

さあ、このドラマ、どんなまとめ方で、どんな言葉を発して終わるのでしょうか、最終話はそれなりに楽しみではある。

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