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「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第3話)」ファスト映画の配信という罪の深さとは何か?

今回は、昨今、本当に裁判も行われ、有罪の判決も受けた「ファスト映画」に関する案件。つまり、2時間の映画を10分に編集することで皆が簡単にその映画を楽しんだ気にさせるという動画に関して、問題は何かをわかりやすく描いていた。

まずは、冒頭、ステージ上の中村倫也がPCに向かって、何かをアップロードしてるところに、映画ファンならよく出会う「映画泥棒」登場!そこに婦警の有村架純が出てくるという、一つ昔のバージョンに近いパロディ動画。個人的は、この映画泥棒動画って好きではないのだが、まあインパクトはありますよね。このデジタル時代。そして、観客が100%に近いくらい録画できる機器を映画館に持ち込んでる時代。このCMって絶対必要なのでしょうな。画を撮るのは結構大変だが、音だけ撮ってる人は結構いそうな気がします。映画館の音響を録音するとどうなるかはやってみたくはなりますものね。

そんな、興味よりも、中村倫也、国選弁護人でも何でも仕事をするしかない。そう、巷で起こる中小な事件の中で彼と有村が成長できるのをみていくのがこのドラマなわけであります。

今回の加害者は井之脇海。映画マニアの彼は、ファスト映画を最初は限定配信で発信していたが、間違えて一般公開してしまったら、すごい数の視聴者がきて、これはすごいと、その先は次々にファスト動画を発信し、著作権元から訴えられたというもの。

ここで、結構、それを作って最初から注目を浴びたかったわけではなかった。そして、アフィリエイトの報酬は受け取っていないということから、著作権者に被害は与えようと思ってやってはいないというところが、執行猶予になるかどうかというところだったのだが、井之脇が、法廷で好き勝手なことを言ったためにそれも難しくなるという流れ。

まあ、自分が悪かった、二度としませんという穏やかな対応なら、そんなに大事にはならないのだろうが、こういうオタクはいらないことを法廷で言ってしまうというのはよくあることだろう。ある意味、今回の話、結構なリアル感があった。

そして、このドラマ、初の法廷シーンが出てきた。とはいえ、中村がここで格好良く弁護をして、それが決まるわけではない。弁護している人間をコントロールできず、逃げに入る中村。このドラマ、彼の小市民性みたいなのが面白いのですよね。そこに少し落とされる有村のお色気フェロモン。それにはまってるのは赤楚衛二だが…。

そして、ベテラン監督役のでんでんが、最後にファンである井之脇に謝られるが、結果的には「絶対に許すことはできない」という。クリエイターの仕事というのは「無」からの創造なのだ。それを安直に自分の知らないところで勝手にいじって、作品を凌辱され、その作品の存在意義も軽くさらされるみたいなのはやはり作り手には怒りしか感じないと言っていい。ネット文化で人の創作したものを安直に扱う傾向は少なからずある。全ての人間の創作物には敬意を示さないといけないという、当たり前のことができなくなった現代がとても悲しいという感じが、でんでんの演技に強く感じられた。

まあこのドラマ、それなりに身近な事件が主題なので、みていて安心感と興味深い部分はある。下町の町弁という言葉も出てくるが、そんな彼らを応援するようなところもあるのだろう。

そして、中村の司法一家が登場!!お姉さんがMEGUMIというのはよくわからないが、彼女もよく使われますね。ちょっと愚痴を言う親族役みたいなのにはピッタリですよね。今回は、中村がちょっと仕事に前向きになってきたみたいなものも感じますし、彼のやる気がどう勢いをつけていくか?有村も、どう中村とのコンビをうまくやっていくのか?ドラマはこれからですね。

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