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「日本沈没〜希望のひと〜(第7話)」これ、オチは日本は沈まなかったっていうことでもいいのかもしれないよね。

日本は沈没するという話を騒ぐ中から、政府の内部で、誰かがそれをないものにしようとしているということがわかり、またまた石橋蓮司が「日本は沈まない」と言い出す。その確証がアメリカのジェンキンス博士からのものだと知り、小栗旬は裏取りを杏にたくす。しかし、この二人にエロチックな感じが全く見えないのは、こういう話の中では失敗である。

大体、日本が沈没するのに、人間の本能を見せているのは田所教授だけで、それも食欲に走るというのは、昨今の文化なのでしょうか?明日にも、日本がなくなるという時に人間の本能がどう動くかということを描くのもこの話の重要なところなのではないか?

そして、今回も地震が一回も起こらない。あと、この回を含め残り3回のようだが、天変地異が起こる予感が全くないのはおかしい。見ている方も、もしかして、これ、日本は沈没しないで、香川照之が詐欺罪で捕まって終わるんではないかとさえ思ってきてしまう。そういうオチでもかまわない感じのドラマなのである。

そして、ジェンキンス博士が日本を沈没しないと言った理由を突き止めたのは、國村隼。もう、香川照之の汚い芝居より、國村隼の冷めた感じの芝居で日本沈没を語っていただきたいと思わせる存在感。なかなかである。彼が出てくるのが遅すぎる感じさえした。そして、その裏工作をしていたのは、杉本哲太だったというオチは、まあ、こういう小さい男は今はいっぱいいるんでしょうなというところ。

そして、政府が移民計画で、アメリカと中国を同時に動かそうとする。まあ、このやり方は危なすぎるよね。そして、最後にアメリカから日本沈没の話が世界中にばら撒かれる展開。まあ、日本政府の馬鹿さ加減を描きたいとしか思えない流れ。そういう意味では、仲村トオルを総理にしたのは正解か?もう、日本人の政治家に対する感覚がこのくらいまで下がっているということなのだろうね。ドラマの中の政治家くらい真っ当ではいけないのだろうか?

そして、企業のトップも、風間杜夫、小野武彦と、このくらいの雰囲気で良いのである。日本の現状を見事に表しているキャスティングではあるのだが、そういう自虐的なのは、そろそろ見たくなくなってきている。

まあ、そんな日本として描いてしまっているわけで、どう考えても、日本中の人々を沈没から救えるようには思えないのですよ。最終回は2時間だそうだから、あと3時間で描けることは、「皆が避難できないで日本が沈んでいく」か「日本は沈まないで、石橋蓮司がニコニコでラストを飾る」のどちらかしか見えてこないドラマってすごいですよね。そのどっちでもなくても、どんなラストを見せられるのか、そういう観点から興味深いドラマではあります。

大体、全て見終わった後に、刹那さや、悲しみの感情に持っていくのは無理な気がするし、結局、現実、「日本はもう沈没してるんだ」というテーマだとしか思えないわけで、前回も書きましたが、希望の人とは誰なのでしょうか?

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