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「二月の勝者〜絶対合格の教室〜(第8話)」こういう問題を出す学校に行きたい、という受験生の美学

先週の金子貴俊の家の暴力事件の続きから。結果的には母と息子で家を出て行くことになり、経済的に開成受験は無理という話に流れる。しかし、開成には特待生制度があるということで、チャレンジ再開になる話。今の学校には多くの奨学金制度や特待生制度があるが、それがあまり公になっていないことが多いのではないか?そして、開成のそれは、受験前の秋に面接があるという。これは、とてもいいことだ。受かれば、お金を気にしないで学校に行けると考えればがんばりようもあるだろう。こういうシステムは、教育のあり方を少し変えるような気がした。とにかく、教育が国を築くことは確かなのだから。国本体がこういうことをどうにかしていかないといけないのですけどもね。多分、このドラマの大きなテーマはそこのような気がする。

そして、そういう家族の問題に立ち入るなといった柳楽が立ち入って、井上に謝るシーンも。ある意味、家族の問題は、塾でも学校でも介入すべきではないのだと思う。だが、そうなると、「教育」とは何か?という話になってしまうのだろう。多分、現在は「家族」という組織のガタイみたいなものが弱すぎるのだ。それが、核家族化の大きな問題だったりする。だから、擬似家族を作るようなドラマも多く作られていくのだろう。とにかくも、一つ一つ流されずに時代をリセットしていく必要があるのではないか?と考えさせるドラマは、それだけで秀逸である。

そして、親との面談で、次々に個々のお子さんに合わせた進学のより良いあり方を提示する柳楽優弥。そこに圧倒される井上真央。進学相談で、ここまでしてくれたら、それは良いですよね。これこそ、塾の仕事とも思えるが、これ、家族事情もいろいろ調べないとできませんよね。これが提示できるようになるには、塾の講師も、さまざまな介入が必要ではないか?と思ってしまう。

そんな無理な書類と、夜の秘密塾の生徒のことも思いながら、柳楽優弥が倒れる。そりゃそうだろうと思うが、点滴途中で立ち上がるというなかなかのスーパーマン。彼の本当の目的はなんなのか?というよりは、何故に彼はここまで子供たちをなんとか合格させてあげようとするのか?というところが重要に見えてくる。

ラストに、子供が二人で神社にお参りするシーンがあるが、こういう子供たちの意識だったり、合格して喜ぶ姿が好きなのかもしれない。そう、笑顔は素晴らしいが、勝者がいれば敗者がいる世界である。全て、思い通りにはいかないだろう。そういう意味でも、ラストをどう持っていくのかは興味があるところである。




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