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「ファイトソング(第4話)」間宮祥太朗側から見た恋愛を音楽にする感触の描き方

先週のキスするかという終わり方に続いて、それを阻止する清原の空手で始まった今回。その空手が大きく、間宮祥太朗を触発することになる。こう言う脚本の繋げ方は本当にうまい。そして、今回の主役はどちらかといえば間宮。間宮の周囲の人々が、清原に紹介されるのもこの回の大事なところなのだろう。彼らも結果的には2人の応援団ということになるのだろうから…。

しかし、こういう不器用なクリエイター的な役が間宮には似合っている。久しぶりに「半分、青い」の映像クリエイターの間宮を思い出した。まあ、日本のクリエイターって金もないし、どうも、生活力がないように描かれるのは、私的にはとても心外なのだが、まあ、日本に文化がうまく根付かないうちは、こういう描かれ方をするのだろうなと思ったりする。そう、「半分、青い」はパンデミック前の、もう4年前の朝ドラになる。まだ、あの頃は音楽関係はクリエイターとして食べられないという雰囲気はなかったように感じるが、それが今は明らかに違っている。ここで、描かれる間宮はまだ「一発屋」としてヒット曲があるだけマシな方で、燻ってどうしていいかわからない音楽関係者は多々いると思えたりもする。

そう、間宮はまだ創作のヒントを得ようとする冒険をしているだけ幸せなのだ。そして、今回は2ヶ月以内に曲を作れという話が一週間に縮まるという話。何か、掴もうとする中で、街で昔の空手部の仲間と遭遇する清原に出会う。そして、彼女の空手をする姿を初めて見ることに…。

空手のシーンはなかなかうまくできていた。ほとんど練習もしていない清原が気持ちよく負ける感じ。そして、それでも、何か昔の熱いものをそこに求めていた記憶が蘇る感じがわかる試合風景。だからこそ、それを見て、メロディーが詞が、間宮の頭の中に具現化してくるような状況につなげるには十分な演出と言っていいのだろう。

そこから、部屋に戻って、勢いが止まらないように曲作りをする間宮の描き方は、紋切り型だが、それなりに熱く伝わってくるものが感じられ、なかなかの演出。こういうの大好物です。でも、そこに実際のメロディーは出てこない。そう、出来上がり、清原に聞かせるところでも、メロディーは流れてこないようにできている。

そして、ラストは、その曲は落選して「さよなら」につながったりするわけだ。でも、ドラマ的にはここからがスタートなのだろう。曲作りも恋愛もここからが本気モードになっていくところだ。そして、ラストにどんな素敵なメロディーが流れてくるかが、このドラマの肝だということはわかる。そして、清原の耳のことも、ここから動き出す感じである。

二人が、どのように本気モードになっていくのか?演じる二人がなかなかいい感じなので、ここからさらに良きドラマになっていく予感はします。

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