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「競争の番人(第3話)」警察でないことで馬鹿にしくさる山本耕史のリアルさ

この間、坂口と杏が閉じ込められたところから。私は、ここで寒い冬なのにトイレはどうするんだろうと思ったら、杏が空手技で壁に穴を開けて、向こうにトイレがあるという、細かい気遣いもあり、それなりにちゃんとした脚本だと思った。壁が壊されるのはどうかとは思うが…。だが、この閉じ込められた書庫にあった顧客名簿に談合部屋がどこか?そこに誰が集まっていたのかということが記されていた。しかし、警察ではないので、勝手に押収することができないのが公取。そのために、坂口の写真化記憶力が必要なわけだ。しかし、それを記憶し、リストとしてPC上で再現してしまうとは凄い。このドラマを見ていてそんなことがあるかと思われている人もいるかもしれませんが、こういう人結構いるようで、学校でノートを取らなくても黒板に描かれたことを全てストックして、テストは簡単に満点取れるという人がそのまま東大合格などということも実際にあるようですよ。そういう事実をネタにこの主人公はキャラクター設定されているのでしょうね。

だからこそ、バディの杏は、武闘派なわけで、名前に「白熊」とはよくつけたなと思いますよね。そして、悪役で最後まで逃げ切ろうとした山本耕史は彼女を女だと思って、捕まえて警察を脅かすわけだが、完全に投げられ締められてしまう。もはや、この最初の事件で彼女のキャラもはっきりとしたわけですよ。

それにしても、山本耕史は、今後、こういう悪役が増えてきそうな感じがしますよね。「シン・ウルトラマン」のメフィラス星人の流れと言いますが、一見いい人風な感じの性悪人間を演じさせたら、今は他に競う人もいませんよね。これで、また、山本の演技の幅も増えたわけで、当分はこの人休む間もない感じになりそうですね。

そして、この初動事件で、公正取引委員会という、存在がよくわからない部隊がどういうところなのかはよくわかってきた。そして、白熊が前にいた警察とは全く行動できる広さが違うということも。同じように世の中の不正を正す機関であるのに、この辺り知らない人は多いだろう。そして、悪人は、それを知り抜いているからこそ、彼らを馬鹿にしながら、周辺を手懐けるというのは、今の政府と同じである。

つまり、悪いことに加担してしまった側がぬかるみに入った後では、自分の正義を取り戻すために反撃するパワーも無くなってしまうということだ。だから、ここでもホテルのボーイの濱津隆之が、二転三転してしまうのも仕方ないことなのだ。今の不景気の中では、山本耕史のような悪いやつはまだごまんと燻っているのだろう。そのためにも、こういうドラマが作られることはいいことだと思う。

しかし、今回の最後に出てくる小日向文世と坂口の間には、何か因縁があるような描かれ方。それが何かを引っ張りながら、次の事件ということですね。

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