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「モンタナの目撃者」アンジェリーナ・ジョリーの美しく格好良い存在感に守られた作品

アンジェリーナ・ジョリー主演作ということで、気になって見る。冒頭部分、家の爆破シーンで始まり、そのままスピード上げるのかと思うも、パラレルにドラマが振られるので、少し没入しにくかった。だが、爆破のニュースをきいて、車で逃げた父子が銃撃され、子供が逃げ出したところから、一気にドラマが動く感じで、彼がアンジーにであってからは、最後まで一気に見た感じ。

敵がなかなか容赦ない、狂気の二人組という設定だが、妊婦は殺せなかったり弱みを見せるところに人間性をみせたりする。ある意味隙があるから、自分たちが放った山火事で最後は焼けてしまうのは自業自得。人間が絡むアクションは、心の動揺が命取りになったりするところが面白い。

アンジーのアクションシーンは、まだまだお見事。最初の方で顔見せみたいな車からのパラシュート飛翔みたいなことをやるが、こんなものいらない感じ。まあ、ここは、過去に他人を救えなかったトラウマを振り払うようなところなのだろう。ただ、先にも書いたが、このあたりの初動がこの映画はかったるく感じる。

話は、モンタナの森に建てられた監視塔を中心の舞台に語られる。一度、逃げようとしても、山火事を見て、また戻ったりする。その間に落雷にあったり、まあ、 観ている方も、生きた心地がしない。その中で、アンジーが目一杯身体をはる感じは痛みを感じてよろしい。生のアクションできる所は、ちゃんとやってる感じがそういう気分にさせるのだ。昨今のハリウッド映画が忘れそうになっている部分だ。

そして、アンジェリーナ・ジョリーの眼の美しさに、画面にのまれる感じが、やはりたまらない。全体に暗い画面の中で彼女の青い瞳が輝くように光っている感じ。一緒に逃げる子供も、それが救いになっている感じがいい。この子役、オーストラリア出身ということだが、ここまでのアクションについて行っているのはなかなか。そして、ラストにおける彼の疲労感もよくわかるし、かなりリアルな演技で観客を魅了する。

あと、妊婦という役でアクションを披露するメディナ・センゴアという黒人女性。すごく印象的であり、最初に二人組に対抗し、逃げ切るシーンは圧巻。まあ、女性二人がとても目立つ映画である。

ただ、命をかけたチェイスをするだけでなく、そこに山火事が絡んでいることで、濃厚なアクション映画になっている。観ている方が火に飲まれるような感じになるのは映画館ならではの体験だ。ハリウッドとしては小粒な領域の映画だろうが、面白いものを作ろうとする気持ちが伝わる作品だ。

アンジェリーナ・ジョリー、もっと多くの作品に参加してほしいと思う。



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