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「夕暮れに、手をつなぐ(第6話)」アイデアの波が襲ってくる、広瀬すずの脳裏を見事に画にしてる面白さ!

今期のドラマ、それなりに標準点のものが多いのだが、この2月後半、競馬でいえば、4コーナー回る感じのところで(いわゆる勝負どころで)一気にテイストが変化し、面白くなってきていて、このままムチ入れて一気に傑作になろうか?としているような感じになってきてるのがこのドラマ。北川悦吏子脚本に関しては、最近は苦言しか出なかったが、なんか初心に戻ってるというか、やはりこういう正攻法なラブストーリーを作らせて、筆が乗っていけばそれなりの、いやそれなり以上の結果が出せる人なのだろう。

とにかく、広瀬すずのデザイナー開眼とも言えるシーンから、ギアがトップに上がっている。今回も、アンダーソニアを訪ねてきた大友康平に対して、自分の描いた世界を吐露していく場面は最高だった。途中のキャットファイトはいらないが、まあ、この世界、女の嫉妬も描きたかったのだろう。そう、嫉妬を覚えるデザイナーの卵という位置付けは、ここで明確になっている。

その前に、夜2時に遠藤憲一に呼び出されて、一緒にデザインを手伝うシーンも素敵だ。「アンダーソニアの服が生まれるところに立ち会えたら、いくらでも寝ずにいられる」この感覚は、ものづくりが本当に好きな人にしかわからない感覚である。あとで、遠藤もセリフで言っているが、一つのことを考えているうちに、次のアイデアが出て来るような感じ。もう、面白くて仕方ない感じがドラマの中から溢れ出て来る感じが、ドラマ自体の勢いもつけているのだ。

そして、そんな脚本に応えるように、広瀬の演技がたまらなく良い。生意気な才能の塊が、無鉄砲に弾けていく感じがうまく表現されている。標準語は標準でつまらない!というようなセリフを最初から考えて、この訛りキャラを脚本家が作ったかどうかは知らないが、東京は頑張った田舎者が作ったということは確かなこと。そして、昨今は、田舎者がそれを壊そうとしている気もする・・。

スタッフの画作りも最高で、大友のことで広瀬を謹慎処分にして済ませたあとで、遠藤と黒羽麻璃央が、彼女のことを話している外のベンチでの脱力感を示した真正面からの画がすごいハマっていた。ここで話される、広瀬が大友のズボンに躊躇なくハサミを入れる話は、そのシーンが勢いよく作られていることで、話の先の展開の輝きをも予感させるわけだ。

大体今回は、蕎麦屋で、永瀬廉と松本若菜が内田理央と会うところに、広瀬と黒羽がやって来るという、カオスの世界から始まってるのに、そのカオスの行く末を見事に捌いて描き切っている。

永瀬のユニットの相手の話も、内田理央に振り回されながらも、最後は田辺桃子の再登場でうまく着地しそうで、すごく綺麗だった。この段階で広瀬も田辺を知っていることがすごく重要だったわけだ。そして、これにより、また恋の行方がもつれていくのもわかる。

しかし、内田理央の髪を切った話が嘘だったというのは、男はなかなか気づかないですよね。これ、女子の視聴者は皆、気づくことなのでしょうか?

で、アイデアの宝庫の広瀬が、デザインを宿題に出され迷っている。広瀬が母親が嫌いだということもセリフに出てきたし、どんな彼女のオリジナルな服が登場するのか、すごい気になりますね!とにかく、面白くなってきましたよ!

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