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「コントが始まる(第4話)」人生の転期を描く、青春ドラマの傑作になる予感

なんか、たまらなく青春してるドラマである。それぞれのキャラにそれぞれの青春が重くのしかかっている。前方視界不良という感じの若者たちの、なんか、のたうち回る感じがいい。

恩師の鈴木浩介が、解散して違う道に進もうとする、菅田と仲野に言う「18から28までの10年と、この先の10年間は別次元の苦しみだぞ」なかなか含蓄のある言葉だ。そう、回り道をした鈴木だから言える言葉であり、次の世界に進もうとする若者たちには、とてもキツく励みになる言葉だ。「その覚悟はあるのか?」と言いながらも「そこを越えていけ!」という激励の意味がこもっている。少し、自分の28歳ごろを思い出してしまった。

今回は、神木隆之介の母親(西田尚美)との親子の中と、突然の別れのお話。西田尚美も、この歳で亡くなる役を任されるとは思わなかったんじゃないか?でも、さすが、ちゃんと自分をも責める母親をしっかり演じていた。神木抜きで、菅田と仲野とミートソースを食べるシーンは、秀逸。これが前に出るように、何度もミートソースを出してくる脚本も素敵である。

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ドラマを見終わった後に、神木と西田の親子関係というものが、結果的にはとてもほっこり感じるのは、このドラマが、どこか日本的な浪花節のドラマであることを証明しているようにも感じた。ラストのファミレスで、亡き母と一緒に4人でコーヒーを飲むような設定で、泣いてどうするのだ、俺!

初めの方で、「マクベス」の名前の由来も明かされる。名付け親が、芳根京子だったというような話も面白い。そう、こういうさりげない高校の時の思い出を挟んで、それぞれのキャラクターの人生を少しづつ開示しながら、青春のおおらかさと苦しさを感じる28歳を描いているのだ。こういうところもたまらない。

そして、有村架純の妹の古川琴音が、スナックでアルバイトするまでの顛末もわかるような気がした。水商売をする女性には身に沁みる話かもしれない。野球部のマネージャーが天職だと思った女性が、行き着いた先がスナックであったという事を視聴者に納得させてしまうという展開。そして、彼女は有村をどん底から救いあげたという設定な訳で、かなり重要な役回り。マクベスの解散の是非にも、関わってくるのだろうか?

そんな彼女の職場の仲間の歌手志望?の小野莉奈が、有村の部屋に転がり込んできて、また、新しい青春がここにもありそうである。そして、明日海りおも、なんか、色々企んでる風であるし、その辺も楽しみだ。

とにかくも、コントは毎回テイストを上げないようにしてあるし、そんなコントを考えながら、普通に悩んでいる若者たちが眩しいドラマだ。そして、ラストの「あいみょん」の曲が、本当に毎回沁みてくる。

「導かれた運命辿って 今日も明日も生きていこう」


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