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2022年新作テレビドラマ放浪記

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2022年の新作テレビドラマの感想です
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2022年7月の記事一覧

「初恋と悪魔(第3話)」松岡茉優の不思議な存在感と、

ラスト、仲野太賀の兄を、松岡茉優が知っているという告白。この告白がドラマの次の章として動き出す感じ。 今回の最初も、仲野が振られて、花束を持ったまま職場に戻ってくる。そこで水撒きをしている松岡が、仲野に水を浴びせる。水というものは、意味なく画面を有機的する。このシーンで、二人がなんか近づく感じにも見えるから不思議だ。ここと、ラストがうまく繋がってる感じに見える今回。 そんな今回の事件は、松岡が生活安全課としてスーパーに派遣され、万引き犯を捕まえるべく仕事をしていた。だが、

「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第3話)」ファスト映画の配信という罪の深さとは何か?

今回は、昨今、本当に裁判も行われ、有罪の判決も受けた「ファスト映画」に関する案件。つまり、2時間の映画を10分に編集することで皆が簡単にその映画を楽しんだ気にさせるという動画に関して、問題は何かをわかりやすく描いていた。 まずは、冒頭、ステージ上の中村倫也がPCに向かって、何かをアップロードしてるところに、映画ファンならよく出会う「映画泥棒」登場!そこに婦警の有村架純が出てくるという、一つ昔のバージョンに近いパロディ動画。個人的は、この映画泥棒動画って好きではないのだが、ま

「六本木クラス(第4話)」他人を信じてブレない男と、彼を守りアシストする者たち

とりあえず、今回で六本木の店が軌道に乗り出すところまで進んだという感じ。しかし、ここに持っていくのに、竹内涼真は自分が選んだ人間を信じて、へこたれない潜在能力を引き出すことに徹底することしかやっていない。彼の人間としてのセンス、そして生きることへのブレない意思が、周囲の人間を巻き込んでそうさせるわけである。そんな彼の姿を見て、新木優子が悟ったようなふりしてんじゃないという。そう、竹内の描き方は、悟りを開いた男なのだ。周囲の空気になびかされずに、自分の信念を波動にして集まったも

「テッパチ!(第4話)」努力は嘘をつかないという基本的なことへの確認

ついに、この訓練、実弾射撃というところまできた。ここで、銃は敵を倒すものではなく、自分や周囲、社会を守るために、自衛官に貸与されているものという話が出てくる。この考え方は今の自衛隊というものが、ある意味屁理屈で作ったものにも見える。実際、大戦の時はあくまでも、武器は敵を倒すためのもの、鬼畜米英を振り払うためのものだったはずだ。その向こうに武士道的な考えはあっただろうが…。そう、この綺麗事を言うことで、自衛隊は憲法の枠の中にグレーに存在するのである。 としたら、考えてごらんな

「競争の番人(第3話)」警察でないことで馬鹿にしくさる山本耕史のリアルさ

この間、坂口と杏が閉じ込められたところから。私は、ここで寒い冬なのにトイレはどうするんだろうと思ったら、杏が空手技で壁に穴を開けて、向こうにトイレがあるという、細かい気遣いもあり、それなりにちゃんとした脚本だと思った。壁が壊されるのはどうかとは思うが…。だが、この閉じ込められた書庫にあった顧客名簿に談合部屋がどこか?そこに誰が集まっていたのかということが記されていた。しかし、警察ではないので、勝手に押収することができないのが公取。そのために、坂口の写真化記憶力が必要なわけだ。

「ユニコーンに乗って(第4話)」スポンサーの探し方もさまざまな時代

先週のマッチングアプリの話が投資家と企業のものだったというところから、話は始まる。投資家の飯田基祐は、なかなか好人物。そして、すぐにオフィスを訪れたりしてスピード感もある。また、西島がいることで企業がそれなりにしっかりしていると捉える。まあ、最後の展開を見ると、昭和から存在する金持ちのエロ親父だったのだが、ワインで酔わせてなんとかしようというのは、浅はかというところだろう。 この永野が飯田とあっている時間に、西島は広末涼子の家に呼ばれ、杉野遥亮は仲の悪い父親のところに行って

「魔法のリノベ(第2話)」夫婦の寝室に関する考察

今回は夫婦の寝室をリノベする話。その夫婦が野間口徹と水野美紀というのがなかなか洒落ている。脇役をうまく配置することによって、このドラマ、どんどん面白くなりそうな予感はする 初めは狭い寝室を広くするという案件だったが、結果的には夫婦ともに夫婦別寝を考えていたという流れ。しかし、何度も出てくる「喫茶チロル」というのは、上田誠の脚本らしいお店であり、こういうレトロな喫茶店はいろんなドラマを作りますよね。 そして、2回目にして、波瑠と間宮祥太朗の息がなかなかぴったりあってきている

「オールドルーキー(第4話)」心のけじめをつけることを形にすることは大切なこと

今回は、他者へのマネージメントの話ではなく、綾野剛の自分自身のマネージメントの話。ここまでで、ドラマの初動部は終わりで、ここから第二の人生が確実に始まるというところ。しかし、ここで綾野が演じる主人公はついている。他に何も取り柄がないスポーツ選手が、サッカー選手のマネージメントを取るために雇われ、まだ正社員でないにしろ、食い扶持を稼ぐ仕事にありつく。そして、今回はその妻の榮倉奈々が元人気女子アナだったことで、更なるけじめがつくことになるわけだ。そう、人の縁というものは、そんな感

「初恋の悪魔(第2話)」仲野太賀はじめ、4人のキャラの交わる先に何が見えるのか?

脚本家は、舞台を警察におきながらも、そこで燻っている4人のアイディンティテーの回復ドラマを作ろうとしているのだろう。そういう意味では、起こる事件は彼らが交わるきっかけでしかない。その向こう側、壁一枚挟んだ向こうに本当の捜査本部があり、学芸会のような感じに見せていることが新しい感覚ではある。だいたい、その本当の捜査を仕切ってるのが、瀬戸カトリーヌというのは、なかなかナイスな配役である。 今回も仲野太賀から物語は始まる。結婚式をいつにするかと恋人と約束。そんなところを林遣都に気

「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第2話)」親ガチャと課金ビジネスと子供とデジタルと…。

ラスト、赤楚衛二が戯れ合う、中村倫也と有村架純を見つめている。明らかなジェラシー目線。そして、中村は赤楚に、「有村が好きだろ?」と聞いたりする。この辺りの恋愛物語がオマケみたいについてるドラマだ。 今回の案件の解決の仕方を見ると、中村の役所は、事件を俯瞰で見て、明確に問題を突き詰める能力がある弁護士。しかし、高卒だから、受験でいい学校を目指す子供たちには、あまり印象はよくない。そして、対する有村は東大を出てるというだけで、子供たちには一目置かれるが、司法試験を4回失敗したこ

「テッパチ!(第3話)」熱い友情みたいなものがリアルに描ける場所が自衛隊なのか?

こういう単純な青春ストーリーに対しては、昔から何も言わず感動するというか、好きである。リアルな社会にそれを求めているわけではないが、隠れている私のDNAみたいなものが騒ぐ感じはなんなのだろうか?最初にも書いたが、このドラマは自衛隊という中での青春ドラマだ。そして、昨今は、普通の学園ものでは青春が描けないということもある。前クールのこの時間にやっていた「ナンバMG5」も今はほとんど亡くなったヤンキーの世界という特異世界を作ることで、青春ドラマを作り得たといえる。そういう、青春ド

「六本木クラス(第3話)」竹内涼真の魅力を強引に説明してくる感じが韓流っぽい

今回気づいたこと。竹内涼真は、光石研に似ている。酔っ払った時の顔が特にそんな気がした。年齢がいった時に、良いバイプレーヤーになるということも考えられるなと思った。 それはともかく、この回は平手友梨奈が、竹内に惚れて協力をするまで。そして、中尾明慶が、なぜ竹内と知り合って一緒にいるかも描かれた。平手も中尾も、孤独に自分の内に炎を燃やす竹内に惚れたと言うことだろう。 そして、今回も早乙女太一のあからさまな嫌味を竹内にぶつけるシーンがなかなかドラマとしては的確にエンジンとして効

「家庭教師のトラコ」アクション家庭教師ドラマ?金と教育の関係…

遊川和彦脚本の、変則家庭覗きドラマ。そういう観点から見れば、いつものように、仕掛けられた、少し変わった人物が家庭の問題を解決していく流れは同じ。今回は、家庭教師。最初に出てくるターゲットの家庭三軒が、全く違う環境にあることが面白く、主人公の家庭教師が何を考えてるのかわからないミステリアスさだけで、ドラマを引っ張る感じはいつもの遊川脚本。 主演は、なんと橋本愛!民放ゴールデンの連ドラの主演は初めてか?家によって、雰囲気を変える、ある意味魔性的な女の役ならいけるだろう。初回から

「ユニコーンに乗って(第3話)」起業のきっかけの話と恋愛のモヤモヤと

先週の飲み会の続きから始まる。そして、杉野遥亮の実家が金持ちだったりする話から、彼の永野芽郁への気持ちのモヤモヤを表現した1時間。出身大学のクイズ研究会に手伝ってもらうことから、母校に足を運ぶ。確かに大学のキャンパスというのは、その在籍した時期に心が帰れるところがある。いまだに、学歴を問う人は多いが、大学を出た人にとって優越感を持っていいのは、思い出のキャンパスを持っていることだと思う。そこに帰れば、原点に戻れる的なものがあるということ。それは、生きる上でも大きなきっかけの場