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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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2021年5月の記事一覧

「ドラゴン桜(第6話)」東大専科の役者たちの勢いがついてきた

志田彩良、鈴鹿央士が結果的に東大専科に加わり、計7人が集まり、一気に受験目指して動き出した感じではある。あと、4回程度でそこまで持っていくのだから、受験のノウハウ的な部分はかなり捨て去っていく感じなのはちょっと不満。こういう内容は、本当は最低2クールは必要な気はする。とはいえ、昨今の芸能界の流れから行って、そういう役者の使い方もできないのだろう。本当に、日本のシステムを根本から変えていかないと、なかなか良いドラマも映画も増えていかない気がする。 ということを考えたのも、東大

「コントが始まる(第7話)」新しい出発の前のもどかしさに共感する

コントのラストのサーフボードが折れるところは、笹かまにかかっていたのね。まあ、そんな、特に面白みがないオチのコントに刹那さを感じるのがこの話なのである。三人が、金髪になってしまったオチはないのか? 今週のお題は、「酔っ払った有村が再就職に向かう」「神木と古川が近づきキス」「三人を見てきた神木の愛車が売られることに」「三人での最後の地方ライブ」といったところ。 大きなドラマはないが、最後の大きなドラマのために、出演者のもどかしさみたいなものが1時間の中で語られている感じ。最

「あのときキスしておけば(EPISODE5)」井浦新を中心にすべての現実が変化していく面白さ

今回のラストは、井浦新と三浦翔平のキスシーンだった。回を追うごとに、こういうシーンを普通に見られるようになっている。決してBLの話ではない中でそれが正当化されていることに、このドラマの面白みがあるのだ。 しかし、三浦翔平の畳みかけるような麻生(井浦)への愛情の勢いは凄すぎる。最初の方で、麻生の担当を降りる時には、結構覚めていた感じだったが、一度死んだ麻生が井浦として生きていると知った段階で異様なギアが上がる感じはなんなのだろう。というか、三浦翔平、こういう芝居もできたんだ。

「生きるとか死ぬとか父親とか(第8話)」パートナーに強いること、強いられること

原作にはないストーリー。それは、仕事と私生活のバランス。自分の仕事へのプライドみたいなものを描いた、どちらかといえば、このドラマの作り手たちの相談をドラマに仕上げたみたいな回だった。だからということもないだろうが、プロデューサーの佐久間さんまで顔を出している。そして、テレ東の新人アナウンサーたちも。まあ、この辺は低予算の楽屋落? 話は至ってシンプルな二つの話からできている。まずは、吉田羊が昔のパートナーで一緒に暮らしていた、岩崎う大が故郷に帰るという連絡をもらい、二人の過去

「恋はDeepに(第7話)」人魚伝説の話なら、そこから話を始めるべきだったのだろうね

ラスト、石原さとみの足がヒレになりかけ、鱗が溢れるというシーンが現れた。その前には、星が浜に人魚伝説があるということがわかる。今更だが、ここからドラマを始めればよかったのではないか?と思ったりする。 つまり、海に泳ぐ魚たちが、海に沈むペットボトルなどのゴミをみて困っている姿を見せる。それとともに、人間たちの環境破壊の姿を見せて、そんな陸地に人魚である石原さとみが上がってきて人間に化ける。このくらい、はっきりと嘘をつくところから始めれば、スッキリいく。 そして、そこに橋本じ

「着飾る恋には理由があって(EPISODE6)」 愛の告白が美しくあれば、ドラマは成立する

ラストで、川口春奈が、横浜流星を「好き」だという。そして、上の写真のシーンだ。いい男といい女が綺麗に結ばれれば、それで画面は予想以上のハレーションをおこして、ドラマを輝かせる。そんなことを考えた後半戦の始まりというところ。 先週の最後に、川口の憧れの社長、向井理が現れ、なぜかシェアハウスにいるというところで終わった。そして、それは、スーツケースを盗まれたということで起こったハプニングだったことがわかるが、向井がここに現れることで、シェアハウスの波動が変わる。それが、嫉妬とか

「大豆田とわ子と三人の元夫(第7話)」 1年後の風景は、説明なく坦々と進む

先週が折り返しで、今週から後半という流れなのは、間違っていないようだが、1年後とはいえ、いや、一年後にした意味もよくわからない。坂元裕二はどこに引力を仕掛けているのか?まあ、今週の引力は、オダギリ・ジョーですよね。前の三人の夫とはまた違うタイプ。そして、数学オタク?少しインテリジェンスを感じてしまい話をしてしまう大豆田。 娘が、家からいなくなって、話す相手もなくなったということもあるのだろう。こういう時に男が現れて、結婚してしまうタイプの主人公ということなのだろう。娘がいな

「珈琲いかがでしょう(第8話)」たこ珈琲のルーツに至り、人生の縁を感じる

なんか、最終回がとても寂しいドラマではある。最後には、たこさんのコーヒーのルーツが彼の奥さんにあったということがわかり、世界の広がりというか、珈琲がつなぐ縁みたいなものを見せてくる。 荻上直子の脚本は、最後までとてもまとまっていたが、最終回は彼女が監督するものだと思ったら、そうではなかったのね。まあ、いつもの荻上さんの世界に比べたら、粋でポップで、あまり裏がない感じで、自分で監督するまでもないということだったのかもしれない。 まずは、先週からの続き、三代目に捕まって、夏帆

「ドラゴン桜(第5話)」生徒の本質を見極める教育をするということ

今回は、秀才の鈴鹿央士との2回目の対決を行うという流れ。そこで、阿部寛は、秘密兵器を東大専科にスカウトすることに。最初から、追いかけていた、細田佳央太である。 授業にまともに出ることもできず虫を追いかけているだけの少年。しかし、彼の頭の中には図鑑の内容が全て入っていることに気づいた阿部は、彼の才能の本質に気づいていたことは伏線としてずーっと流れていたから、この回で専科に入ってくる流れは、視聴者にも自然で、それなりに面白く見られた。 つまり細田は「サヴァン症候群」なのだろう

「あのときキスしておけば(EPISODE4)」見た目から魂に心が移る場面の絶妙さ

しかし、ここにきて井浦新の麻生久美子化が一気に進んでいて、視聴者側も違和感を感じなくなってきた。井浦新という役者の振幅幅に圧倒される。 前回、田中マサルの妻であるMEGUMIに見つかり、松坂と付き合っていると誤解されたところから今回は始まった。しかし、最近のドラマは、男同士の恋愛を基本的にあるものとしていて、昔のドラマにあるような「気持ち悪い」的な心模様は本当になくなってきた。マイノリティーを護るという話は、エンタメの中ではもはや当たり前である。そう、エンタメは日常を先導す

「コントが始まる(第6話)」芳根京子と仲野大賀の恋愛劇に泣ける夜

風呂場のバスタブから、ウェットスーツの芳根京子が出てきた時に、視聴者の私も、すごいときめいた。そう、見ている方まで、あの青春の日に戻してしまうドラマなのである。多分、この主人公たちのモヤモヤには、全ての人が共感できる形のない何かがあるのではないか?本当に有機的でいて、刹那い青春像を描き切ってくドラマだと思う。 今回は、酒屋をつごうと考えながらも、芳根京子演じる、なつみとの格差的なものもあり、戸惑うこの恋人二人を柱に、28歳のはっきりしない日常を描く。 まずは、仲野のお姉さ

「生きるとか死ぬとか父親とか(第7話)」友人の恋愛相談に答える難しさ

今回は、トッキーこと吉田羊が友人の石橋けいと中村優子の恋愛の話を聴かされて、自分のこと、仕事のことを顧みるお話。最後にお父様役の國村隼は出てくるものの、ほとんど彼が蚊帳の外の話。それはそれで、なかなか面白かった。 同棲カップルの浮気の話の相談から。なんか、こういう話だと、田中みな実が生き生きしているようにも見える。前にも書いたが、彼女のこのアナウンサー姿はなかなか良い。 まずは、石橋けいの夫が不倫をしている話。子供もいるし、簡単に別れるわけにもいかない。吉田に、ラジオのよ

「恋はDeepに(第6話)」綾野剛がファンタジーを受け入れてしまうことで不思議な空気になっていく展開

最後に、YouTuberが、石原さとみを追いかけて「あなたは海女さん?」と訊ねる。これが普通の人の感覚である。ドラマとしては、そうでないとおかしいのだ。でも、このドラマでは、石原は魚だ。人魚ではなく魚だ。だから、彼女は塩水がないと生きられない。そして、海藻をドレッシングもかけずに食べる。それを、視聴者にそういうものだと、当然のように見せる。視聴者はファンタジーと理解はしているが、やはり違和感がある。石原が綺麗だから、まあいいか?というところである。これが、凡庸な女や、いかつい

「着飾る恋には理由があって(EPISODE5)」 自分の価値は自分で決める時代の恋愛とは?

川口春奈と横浜流星の恋愛が、やっと動き出したと思ったら、最後に昔の憧れの人、向井理が再度出てくる。よくわからないが、それが横浜と一緒に寝ているという図。決して、複雑系ではないが、川口の心が一つにフォーカスされないように作ってあるということだろう。向井が二回にわたって送ってきた荷物も、結局開けないままだったが、この辺り、脚本はいい加減に感じる。2回届いたら、流石に開けるだろう。 しかし、向井は会社にも顔を出していたが、何をやっているのか?謎めく感じは出ているが、どうも視聴者に